純粋であることが、必ずしも美徳ではないと思う。
でも、私はそんなところが好きだった。
わがままで乱暴でどうしようもない人だったけれど、人を惹きつける輝きなら誰にも負けなかった。
支配されることを仕方がないと諦めていた人々。
その中で、彼だけが自分の力で戦い始めた。
多くの人が、そこに希望を見たのだ。



   だっておかしいだろう?
   なぜ俺達が黙って踏みにじられなければならない?
   この大地はここに生きる全ての生命のものだ。
   支配される運命なんて、受け入れる義理はない。
      


彼の決めたことなら、迷うことなんてなかった。
英雄という光に、ただすがった人も少なくはなかったかもしれない。
でも、多くの人は、共に戦えることを誇りとしていた。
背中を追うこと、隣を歩くことが、あの頃の私の全てだったように。
多くの思いが彼を励まし、同じように苦しめていたことも知っている。
楽しいことばかりではなかった。
けれど、一度だって不幸だなんて感じたことはなかった。
後悔はない。
こうして、彼の示した未来に立っていることが、私の何よりの誇り。


一緒に生きようと言ってくれた時、私も覚悟を決めた。
永い時間を奪うことを、怖れなかったわけではない。
何より失いたくなかった。
でも、彼が望んだこと。
同じ時間を生きることは私の願いでもあったから。
いつもそう。
彼の我が儘は、彼だけのものではないのだ。
だから光を見せてくれる。
奪うのではなく、与えるのではなく、かけがえのない時間を共に紡ごうと思った。
そして願いは叶えられたのだ。

あの頃は良かった、なんて思いたくない。
だから前を見て進んできた。
彼はいつでも傍にいてくれる。
後悔なんかしない。
・・・・・・未練はないとは言えないけれど。



   俺は縛られるのなんてご免だし、自分の大切な人が自由でないのも嫌だ。
   だから・・・・・・




全ては彼の我が儘。
それが始まりだった。

そこから、私達の未来が始まったのだ。






戻。



サナさんの独白。彼女もいろいろな想いを抱いた「強い」人だと感じます。
因みにうちの英雄は「フレイ」。安易だけど似合うと思う、気に入っている名前。