夜の草原。
さやさやと静かに風が吹き抜けていく。
その風にのって、あえかな灯火がゆるゆると無数に流れていく。
小さなせせらぎの音が、遠くに聞こえている。
「どうかな…?」
言葉もなくその風景に見入っている花梨の髪を、風が
ふわりと揺らして通り過ぎ、はたと翡翠の言葉に気がつく。
『----------』
「そうかい? それはよかった」
そう言って花梨に微笑むと、翡翠は淡い灯火の群れに目を移す。
「淡い夢のような存在が現(うつつ)に舞い出でて、一夜限り
永遠の愛を語らっているようだ」
合わせた両手の指先を唇に当てながら、目の前の風景から
目を離せずにいた花梨が、翡翠の言葉に惹かれて振り返る。
『----------』
「…この光は、蛍の愛の囁きなのだそうだよ?
蛍はその短い命をすべて愛に費やす。
ここでは、永遠も、その儚さも見ることができる…」
『----------』
柔らかな翡翠の声に聞き惚れながら、花梨は蛍を驚かさないように
静かに彼の後を追って草原へと分け入る。
「…そう? まだ早い、かな?」
花梨の言葉に少し寂しそうに微笑むと、翡翠は、ふわり…と小さな小川を飛び越えて
神子と距離をとった。
「例えば…君が帰りたがっている世界と、私が暮らすこの世界。
その境界が、こんなに簡単に飛び越えられたとしたら、私はこんなに
悩む必要はなかった。
だが……」
翡翠は言葉を切り、天を仰ぐ。
そこには淡く耀く天の川が、ゆるりと横たわっている。
「実際はあの河以上に境界は厚く、行き来は困難だ。 一度道が閉ざされれば
織姫と彦星のように、年に一度渡ることすら叶わない。
蛍なら、それでも迷わずに飛んでいく。
だが、君はそちらの世界に、大切なものがあるはずだ。
対岸に、愛しいと思う人間がいたとして…君なら、どうする…?」
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さて、翡翠さんに、こんな風に言われたらあなたなら、なんと答えますか?
…と、いうことで、ちょっと途中までですけど、ナリ茶のログ、載せてみました。
ログ、というよりなんとなくSS仕立てに編集してますが、萌葱翡翠さんのセリフは
ほぼ、そのままです。 (状況に応じて、ちょっと前後しているところもありますが)
チャット、という限られた時間の中で、ここまで翡翠さんになりきったセリフを喋れる、
というのは、もう、才能という以外ないんでしょうね。
だって、即興の世界なんですよ?
わたしには、無理〜…ということで、花梨ちゃんのセリフの所は、
これをお読みくださったあなたが入れてみてくださいね(逃)。
萌葱さま、素敵な翡翠さんと、素敵な時間を、本当にありがとうございました。
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『蛍の草原』 Word by moegi kawatsuki