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01/11/22(木)
 ゆっくりと、落ち着いて、丁寧に、あせらずに話す。 挨拶、話、質問、お礼の言葉(45分)
◇挨拶とお礼 おはようございます。はじめまして自立生活センターの高木浩久と申します。今日はみなさんの大切な授業時間に、貴重な機会を与えて頂きましてどうもありがとうございます。
◇自己紹介 はじめに自己紹介をします。私は今、加治川村に住んでいます。交通事故で頚椎(首の骨)を骨折して障害者となりました。交通事故には注意して下さい。来月で丸8年になります。だからやっと小学2年生です。障害は胸から下の運動機能がマヒしています。感覚もありません。指も動かなくて毎日の生活では他の人の手助けが必要です。着替えもトイレもお風呂もです。
◎今日の話は、私個人の考え方であって障害者がみんなそうだとは決して思わないでください。
◇生活の様子、今は車いすで動きやすいように工夫してある家に住んでいます。いわゆるバリアフリー住宅です。玄関からほとんど段差がありません。設備は天井走行リフト、引き戸、エレベーター、段差解消機。ホームヘルパーさんと訪問看護婦さん、家族、ボランティアさんに助けもらいながら生活しています。
◇外出の様子は、家族の運転でリフトの付いた軽自動車で外出します。今日もです。たまにボランティアさんにも運転してもらいます。電車も飛行機も乗ります。近くは電動車椅子で散歩します。
雨の日と雪の日はじっとしています。買い物はたまに出かける、インターネットも利用します。
◇障害の受容=まわりの人のかかわりがあったから=友だち・仲間が助けてくれた=情報の提供@病院の段階A退院の段階B地域での生活の段階=ここで障害のある仲間に教えてもらっている。友達はできた。
◇車いすで大変なこと、嫌なこと=障害者と見下される。餓鬼扱いされる。理由もなくじろじろ見られる。可哀想と思われることです。みなさんならどう感じますか?
◇車いすは便利か不便か?=めがねや靴と同じ道具です。身体に合わないと痛いし疲れる。
◇車いすで良いこと、楽なこと=行列に並ぶとき座っていられる。電車で席がなくても座っていられる。ディズニーランドでは並ばなくてよい、直ぐに乗れる。注目される。みなさんに会えた。
◇人によって考え方の違い、見方の違いがあるので、それぞれに何が幸せで何が不幸かは、その人によって違います。自分の考え方がすべてではないので、相手の立場になって考えて下さい。
◇「がんばれ」と言う言葉がつらいとき、重荷の時があります。例えば、みなさんがいつも頑張っているのにできないときに、もっと「がんばれ、がんばれ」と言われてもその期待にこたえられないので困ってしまいませんか?私は困ってしまいます。ときには何も言わずに黙ってそばにいてもらえるだけで心が助かることもあります。
◇私から伝えることは、障害者が何か困っている様子を見かけたら「大丈夫ですか?何かお手伝いしましょうか?」と声をかけてください。手助けが必要ならば頼みやすいし、必要なければ断わりやすいからです。困っているときは結構あります。私の場合はキョロキョロしています。
◇特別扱いせず人間として対等に接してください。障害を感じないとき、障害があることを忘れているときがうれしいし、楽しいです。それは相手の接し方で変わってきます。「車椅子の高木さん」ではなくて「人間の高木さん」として接してもらえるとうれしいです。
◇限られた時間で、言葉で伝えられないことがたくさんあります。まず、障害のある人と友だちになってください。認めてください。これで終わりにせずに障害についてもっともっと知ってください、知らないことは聞いて調べてください、ずっと続けてください。
◇障害のある人は人口の4〜5%います。障害があることは本人の責任ではないです。障害があるからと言って何ごとに関しても選択肢が狭められてはいけないし、自分で選択して、自分で決めたいのです。自分のやりたいことを障害があることを理由にあきらめなければならない社会は誰にとっても住みにくい社会です。障害は社会に作られているところもあります。人の考え方が変わり、社会が変われば今の障害は、将来は障害でなくすることもできます。たとえば、階段があってもエレベーターがあればいいです。みなさんにはそれができます。

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