< 座談会 >

師弟の大道を歩む

新しい力で時代を開け!

 

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世界広布は人類史の大偉業
誠実な行動が「信用」「信頼」に
皆が世界広布を担う大人材
世界広布の後継者を育てよう
友情と信義が開いた文化交流
聖教の拡大が仏縁の広がりに
皆が青年の気概で挑戦!
学会は永遠に大聖人直結
さあ!朗らかに仏縁を拡大
同志の成長に真心を尽くそう

 

 

 

<21> 世界広布は人類史の大偉業
出席者:原田会長、正木理事長、新名九州長、杉本婦人部長、山田九州青年部長、吉井女子部長

吉井 4月2日は戸田城聖第2代会長の祥月(しょうつき)命日です。75万世帯の折伏(しゃくぶく)という生涯の願業(がんぎょう)成就(じょうじゅ)し、1958年(昭和33年)、桜花爛漫の時に霊山(りょうぜん)へ旅立たれました。
正木 その不惜身命(ふしゃくしんみょう)の実践を65世日淳法主は「妙法蓮華経の五字七字を七十五万として地上へ呼び出したのが(戸田)会長先生だと思います」と最大に讃嘆(さんたん)されました。
原田 創価三代の会長ありて、今日(こんにち)の学会があり、世界広宣流布の大偉業がある。人類史に刻印されるべき壮挙(そうきょ)です。
 あらためて、死身弘法(ししんぐほう)崇高(すうこう)な生涯に心から御礼申し上げたい。
杉本 学会にはさまざまな記念日があります。そのたびに一つ一つ、広布の原点を思い起こし、妙法に出あえたことに感謝しながら、勝利の(ふし)を刻んでいきたいですね。

ラジオ朗読に反響

新名 戸田先生と池田先生が縁≠結んでくださったことで一青年への弘教(ぐきょう)が実ったという話題があります。
 福岡の北九州総県・豊前圏で、ある専門学校生が入会しました。紹介者は中学時代の同級生で現在、創価大学に学ぶ学生部員。その学生部員が母親と(とも)に対話を重ねました。
山田 この専門学校生は小・中学生のころ、遠く離れた学校に通うため早朝に起き、ラジオをつけていた。その時間に流れていたのが小説『新・人間革命』の朗読番組でした。実は彼は毎日のように、この朗読を聞き続けて、深い内容に感動していたそうです。
 さらに彼が高校生の時には、図書館で偶然、戸田先生が書かれた『人間革命』を見つけ、書名にひかれて手に取り、読んだといいます。つまり、小さいころからずっと、戸田先生と池田先生の著作と哲学を、心に焼き付けていたのです。
新名 学生部員と母親が誠実に対話するなかで、その事実が分かりました。彼は創価青年大会の映像を見て、そこで発表されていた信仰体験にも大感動。座談会にも参加して入会を決意し、晴れて御本尊を受持(じゅじ)しました。
正木 いま、ラジオの朗読番組やブロック・県紙への寄稿などを通して、先生の哲学と仏法思想に触れる機会も多くなりました。
新名 今年1月から、福岡県および隣接県などで聴取できる「RKBラジオ」で、朗読番組「母の(うた)〜すべての母に『感謝の花束』を!〜」が始まりました。これは池田先生の著作『母の詩』『母の(まい)』『母の曲』の内容から制作されたもので、婦人部の皆さんはもちろん、友人の方々にも大変な反響です。
山田 その通りです。
 「義母と夫の介護に忙しい日々のなかで、心温まる放送を聞くことができました。明日からまた頑張ることができます!」
 「母親の存在は大切だと確認できました。素晴らしい朗読が始まりましたね。毎週、楽しみにします」
 毎回たくさんの感動の声が寄せられています。
原田 日蓮仏法は社会に開かれた宗教です。池田先生の指導のもと、学会は仏法を基調とした平和・文化・教育運動を壮大なスケールで展開してきました。よりよき社会をつくりゆく大民衆運動として、各分野で結実しています。
吉井 「智者(ちしゃ)とは世間(せけん)の法より(ほか)に仏法を(おこなわ)ず、世間の治世(ちせい)の法を()く能く心へて(そうろう)を智者とは申すなり」(御書1466n)ですね。
杉本 民音や東京富士美術館の事業、平和や環境などをテーマにした学会の展示活動、講演会・セミナーなど、多彩な取り組みが定着しています。

人間性を育む聖業

正木 31日は「教育本部の日」です。教育に携わる皆さんは、職場や地域で、なくてはならない存在として活躍されています。
吉井 池田先生は今年2月から聖教新聞で寄稿「わが教育者に贈る」の連載を開始してくださいました。教育以外の分野にも通じる、非常に重要な指導を語ってくださっています。
新名 一般に、大事な成長期を預かる教育現場は、本当に大変です。いじめ、引きこもり、不登校、モンスターペアレントなど、問題が山積しています。
原田 そうしたなか、教育者としての誇りを語り、歩むべき道を示してくださる池田先生の指導が、教育本部の友にとってどれほど前進の(かて)になっているか。
吉井 「祈りから朝をスタート」という先生の指導に接し、「祈っていくと、子どもたちが無条件にかわいく思えて仕方がありません。楽しい授業にするために、どうしたらよいか、毎日、心を砕いています」と語る方がいました。
 青年教育者の皆さんも、それぞれの使命の舞台で奮闘しています。
正木 子どもたち一人一人と向き合い、苦労に苦労を重ねながら教育に全力を注いできた体験は、「教育実践記録」としてまとめられ、5万7000事例を突破しています。また全国35カ所にある教育相談室では、保護者のさまざまな悩みの相談に乗っています。これまでの来談者は36万7000人を超えました。
杉本 九州では先日、大分平和会館に教育相談室が開設されましたね。
山田 そうです。大分の皆さんは本当に喜んでおられます。
 教育本部の方々は、未来部育成にも、地域の壮年・婦人部の方々と協力して取り組んでいます。福岡栄光県では、子どもを持つ親を対象にした「父母会」を開催し、親の意識向上にも努め、大好評です。
新名 また地域のために尽くしたいとの尊い(こころざし)で、「熱風セミナー」と題した支部や地区単位での教育セミナーを、各地で開催しています。教育現場の体験や子育てのアドバイスを語る内容が、参加した皆さんに大評判です。
原田 先生は「教育は、人から人へ、人間性の真髄を生命深く(はぐく)み、伝えゆく聖業(せいぎょう)」と述べておられます。教育本部の皆さんは本当に偉大な使命に生きておられます。その尊い姿を皆でたたえていきたい。

(2012. 3.29. 聖教新聞)

 

 

<22> 誠実な行動が「信用」「信頼」に
出席者:原田会長、正木理事長、畑東海道長、杉本婦人部長、橋元男子部長、井上東海道女子部長

杉本 いよいよ新年度です。皆が心新たに、春の日差しのように明るく、一日一日を前進していきたいですね。
 就職して新社会人となる青年部の皆さんが数多くいます。
正木 「青年学会 拡大の年」に新たな一歩を踏み出すメンバーです。そのみずみずしい息吹(いぶき)から、私たちも元気をもらい、青年の心意気で元気に戦っていきたい。
井上 たくさんの女子部員も、使命の舞台に踊り出ます。
 池田先生はこれまで、新社会人にさまざまな指針を贈ってくださっています。その第一が「信用」「信頼」の大切さです。
 「この社会を成り立たせている根幹は、『信用』『信頼』といってよい。それは、交わした『約束』を守る、『約束』を一つ一つ誠実に遂行(すいこう)する、その行動でしか築き得ない」と述べておられます。
原田 約束を守ること。問いかけや呼びかけに、すぐさま反応すること。報告・連絡・相談をこまめにすること。そして、誠実には大誠実で応えること――私もこれまで何度も先生から指導していただきました。仕事も学会活動も同じです。そうした一つ一つの積み重ねが信頼、信用の基礎となります。

今いる場所で勝つ

橋元 また先生は、社会人の基本として、「清々(すがすが)しい挨拶(あいさつ)」「朝に勝つこと」「愚痴(ぐち)をこぼさず、前へ前へ!」と言われています。先生ご自身が若き日から実践されたことです。
杉本 そうですね。池田先生が戸田先生の会社で働かれた時は、誰よりも朝早く出勤し、まず職場を掃除されました。また、同じビルで働く別の会社の方ともあいさつを交わし、友好を広げておられます。
原田 「愚痴をこぼさない」ということについても、戸田先生の事業が苦境に陥って給料の遅配が続き、周りが辞めていくなかで池田先生は働き抜かれました。しかも苦手な金融の仕事です。もちろん、そこには「師匠をお守りする」という強き一念があったわけですが、「今いる場所で勝つ」という姿勢は皆に通じる大事な点です。
 御書には「(おん)みやづかいを法華経(ほけきょう)とをぼしめせ、『一切(いっさい)世間(せけん)治生産業(ちせいさんぎょう)は皆実相(じっそう)(あい)違背(いはい)せず』とは()れなり」(1295n)とあります。仕事を仏道修行と思って取り組みなさい、との励ましです。
橋元 この御文を通して先生は、本紙に連載された「御書と青年」で、「世のためにと働くことは、何よりも尊い。職種とか、会社の大きさとか、地位とかは関係ありません。一日一日、妙法を(とな)え、真摯(しんし)に行動をして社会に貢献している人は、皆、(ほとけ)になりゆく生命の正道を進んでいるのです」と述べられました。
正木 2010年の春に大学や専門学校を卒業して就職した人のうち35%が3年以内に離職するという推計が、内閣府から発表されました。学生たちが自分の適性や()きたい職業を十分に検討せずに就職したことなどが原因であると分析されていました。
橋元 男子部でも、不況の影響を受け、仕事で悩むメンバーが多くいます。だからこそ信心根本に苦境を打開しようと、信心は一人前。仕事は三人前≠ニの思いで頑張っています。
井上 池田先生は、こう励まされています。
 「苦労知らずで偉くなった青年は不幸だ。真の人生の深さがわからないからだ。苦しみ抜いてこそ、本物が育つ。ゆえに、思うようにいかない時も、くさってはならない。上手くいかない時も、自分らしくベストを尽くしていけば、必ず、そこから次の道が開かれる」
 「誰かに愚痴をこぼしても、何も生まれない。題目を唱えて御本尊に悩みを訴えれば、勇気と(ちから)が湧いてくる。智慧(ちえ)が光る。諸天善神(しょてんぜんじん)厳然(げんぜん)と現れる。日蓮仏法の真髄は『煩悩即菩提(ぼんのうそくぼだい)
』である。その根幹は、祈りである」
原田 とくに新社会人は最初から希望通りの仕事に携われることが、ほとんどないかもしれません。だからこそ自身を鍛える時であり、信用を積み上げる時です。信心で勝ち抜いていくことです。新たな挑戦を開始する若き友を心から励まし、応援していきたい。
杉本 就職や転勤に伴って、それぞれの地域に転入してくる方もいらっしゃいます。深い(えにし)で結ばれた学会家族≠ナすから、いち早く会いに行き、広布の大道(だいどう)を仲良く一緒に進んでいきたいですね。

学会家族は世界に

 学会家族≠ヘ今や世界に広がっています。先月にはSGI(創価学会インタナショナル)春季研修会の一環で、神奈川県内の会館にSGIメンバーが来訪しました。ある会館での交流交歓会には地元の学会員だけでなく、100人以上の友人も参加。海外の方々が学会歌を歌う様子、題目を唱えながら信心で苦難を乗り越えた体験を喜々として語る姿に、皆さんが感動していました。入会を決意する方もいました。
井上 女子部では「池田華陽会(かようかい)」5期生が誕生し、東海道でも本当に多くのメンバーが華陽のスクラムに加わりました。昨年の創価青年大会を機に立ち上がった人、新入会者を含めて皆が「華陽の誓い」を立て、前進を開始しています!
原田 学会は本当に、にぎやかです。皆で和気あいあいと、たたえ合い、支え合って進んでいます。これが池田先生の築かれた(うるわ)しい世界です。
 神奈川と静岡は日蓮大聖人、そして創価の師弟有縁(うえん)の天地です。先生は「いつも心に、大信念の富士の山をいだいて戦う、師弟不二(ふに)の東海道の友よ!」「東海道の勝利こそが、永遠に魔軍を封じこめる、創価の正義の勝利である」と断言されました。皆が心一つに、信頼と共感の対話を拡大し、師弟共戦(きょうせん)の勝利の歴史を開いていきます!

(2012. 4. 2. 聖教新聞)

 

 

<23> 皆が世界広布を担う大人材
出席者:原田会長、正木理事長、畑東海道長、杉本婦人部長、橋元男子部長、井上東海道女子部長

正木 創価大学と創価女子短期大学で入学式が行われ、日本各地、世界から集った新入生が、創立者・池田先生のもと、学びの青春をスタートさせました。
橋元 先生はメッセージで「青春の誓いは時代を動かす」「今日(きょう)も粘り強く一歩前進を!」「(みずか)らのベストを引き出せ!」という三つの指針を贈られました。
杉本 中国の程永華(ていえいか)駐日大使に創価大学名誉博士号が授与され、大使が記念講演をされました。
 新入生の皆さんは、創立者の真心に包まれ、世界≠身近に感じることができ、素晴らしい出発となりましたね。
原田 全国各地の幼稚園から大学・大学院まで、この春に進学する全ての友を心から祝福しましょう。大成長を祈り、夢への挑戦を応援していきたい。
杉本 学生の本分は勉学ですので、信心根本に(てっ)して学び抜き、(ちから)をつけていただきたいですね。皆さんが未来の世界と、広布拡大を(にな)う若きリーダーです。
井上 新入学のメンバーは、地域にもさわやかな息吹(いぶき)を送ってくれています。
 静岡・志太(しだ)圏のある女子部員は、県立大学の短期大学部に推薦で合格し、この4月から看護を学びます。ある時、未入会だった彼女のお父さんに、がんが見つかりました。彼女は鼓笛隊の一員としても頑張りながら、父親に信心の偉大さ、学会の素晴らしさを家族と共に話しました。そうした姿に感銘を深めて、お父さんは入会。その後、お父さんは亡くなられましたが、彼女は父親の病を機に看護師になる夢を(いだ)き、誓いの道を歩んでいます。
正木 一家和楽を願い、日々家族のことを祈る女子部員の心は、本当に美しい。「女子(おなご)は門をひらく」(御書1566n)とある通り、一家の、地域の幸福を開いていく存在ですね。

「妙とは蘇生の義」

 神奈川・伊勢原旭日(きょくじつ)圏で男子部本部長をしているメンバーは、静岡・富士宮の出身で、信心強き両親のもとで育ちました。両耳が先天性の難聴で、医師からは良くなる見込みはないとの宣告。補聴器なしでは十分に会話ができないため、友人をつくることがなかなかできませんでした。
 しかし親戚が末期の悪性リンパ腫を克服したことに勇気をもらい、唱題に挑戦。「宿命転換のためには折伏(しゃくぶく)を」との激励を受け、筆談を(まじ)えながら仏法対話に挑みました。
原田 自分が大変な状況にあろうと、他人のために尽くそう、妙法で一緒に幸せになろうという姿が偉大です。
 彼は大学院1年の時に初めて弘教(ぐきょう)成就(じょうじゅ)。国際シンポジウムで論文発表を果たし、希望通りに自動車メーカーへの就職を勝ち取りました。職場の人間関係で悩むこともありましたが、同じ悩みをもつ友人に、一緒に信心で乗り越えよう≠ニ対話。昨年秋、御本尊を授与できました。これまで15人の友人へ弘教してきた彼は、6年前の検査で初めて聴力の回復傾向が見られ、今では普通の会話が聞き取れるまでになりました。
杉本 「(みょう)とは蘇生(そせい)()なり蘇生と申すはよみがへる義なり」(同947n)との御文通りの、感動的なドラマですね。
橋元 神奈川の横浜・旭正義区の創価班大学校生は、「バセドー病」と闘っています。
 彼は仏法対話を誠実に進め、今年1月に友人が入会。また、共通の友人と対話すると、その友人も入会を決意してくれました。しかし、その友人の両親が入会に反対。それでも3人で会合参加や勤行・唱題を重ねるなかで親の了解が得られ、友人は御本尊を受持ずることができました。一人立つ大学校生の闘争で、創価の陣列が次々と広がっています。
原田 病と闘いながら、妙法を弘めゆく。なんと尊いことでしょうか。池田先生は次のように語っておられます。
 「『病魔』『死魔』を打ち破る根本の(ちから)が、妙法です。『南無妙法蓮華経は師子吼(ししく)(ごと)し』(同1124n)です。大事なのは、『戦う心』と『最高の治療』、そして『生命力』です。なかんずく、心を強めるのも、最高の治療を生かしていくのも、生命力をわきたたせるのも、唱題が根幹です」と。
 病気であれば体に無理をさせてはいけません。しかし心は力強く、前を向いていくことです。その原動力が信心であり、そこから湧き出す生命力が魔を打ち破っていきます。

信頼と励ましの絆

 いま東海道は、絶対勝利への決意みなぎる青年を先頭に、各部が団結して若々しく、友情を深める語らいを広げています。
井上 横浜の保土ヶ谷総区と旭総区の女子部では先月、家族や友人への感謝の思いを伝える「サンクスフェスタ」という集いを開催しました。これには120人を超える友人が参加してくれました。
正木 日ごろの信頼があるからこそ多くの友人が来てくださったんですね。
井上 池田先生の随筆の内容を紹介する映像企画や、女子部員の代表約100人による合唱、そしてお世話になっている方々への感謝を込めた手紙の朗読など、いずれも参加した皆さんが心から共感してくださいました。
 「合唱の曲を聞いて、感動し、涙が出ました。親友が頑張って歌っている姿から勇気をもらいました」
 「素晴らしいイベントに感銘しました。普段、誰もが忘れがちな、大切な気持ちをあらためて気付かせてくれ、感謝しています。今日、教えてもらったことを、仕事や日々の生活を通じて社会に還元できるよう頑張ろうと決意しました」
 友人からは大感動の声ばかりでした。
杉本 池田先生は「真剣と誠実の対話が、確かな友情をつくり、広げる」と指導されています。相手が喜び、納得し、共感できる語らいは、友情をより固く結んでいきます。
原田 さあ対話の春%棊です。自分らしく誠実に、信頼の(きずな)、励ましの絆を広げていきましょう!

(2012. 4. 5. 聖教新聞)

 

 

<24> 世界広布の後継者を育てよう
出席者:原田会長、正木理事長、小川第2総東京長、杉本第2総東京婦人部長、棚野青年部長、吉井女子部長

吉井 東京と関西の創価学園、創価小学校、札幌創価幼稚園で入学式・入園式が行われました。
原田 創立者の池田先生は新入生に「学ぶ喜びこそ青春の(たから)なり」「語学と読書のエンジンで世界の道を」「勇気の心で(ほが)らかに前進を」との指針を贈り、こう呼び掛けられました。
 「私の心はいつも皆さんの(そば)にいます。間近(まぢか)で見守っていきます。どうか、私と皆さんが一体不二(いったいふに)の心で結ばれた、この学園の大城(だいじょう)出、伸び伸びと、自分らしく、無限に広がる未来への(つばさ)(つく)り上げていってください」と。
 創立者の深い慈愛(じあい)に包まれ、希望あふれる出発の式典となりました。
小川 かつて先生は「教育は、私の最後の事業である。その誉れの原点こそ、わが創価学園だ」と述べられました。1967年(昭和42年)11月18日を創立記念日とし、翌年4月、第2総東京の地に創価学園を開校されました。
杉本 小平市、国分寺市をはじめ地元の皆さんは、学園の発展を心から祈っています。全国、世界から集った学園生が学びの青春を送り、使命の舞台へ巣立っていくことは、うれしい限りです。
正木 関西や北海道の友も同じ思いです。学園生に限らず、子どもたちがもつ素晴らしい才能の芽を伸ばすため、皆で励まし、大成長を祈っていきたい。

体験と確信を語る

棚野 8日には全国で「創価ファミリー勤行会」が楽しく開催されました。
吉井 新入生を祝福する意義を込めて開かれ、未来部員を主役に、ご両親や祖父母、未就学の子どもたちも参加。どの会場も大変に、にぎやかでした。
小川 日蓮大聖人は、門下(もんか)であった阿仏房(あぶつぼう)千日尼(せんにちあま)夫妻の子どもが信心を受け継いで立派に成長している姿に、「子にすぎたる(たから)なし」(御書1322n)と大変に喜ばれました。
原田 三代会長が開かれた世界広布の大偉業は、後継の人材がいてこそ永遠ならしめることができます。
棚野 今の未来部員は学会創立100周年の2030年には最前線のリーダーとなり、世界広布を(にな)う大切なメンバーです。
正木 そのために日常のなかで子どもと一緒に勤行・唱題し、座談会や本部幹部会に参加し、聖教新聞や未来部の機関紙などを通して池田先生の指導を学んでいきたい。とともに親が子に「体験」と「確信」を伝えていくことです。
小川 そうですね。「信心して、どういう功徳(くどく)や体験を得たのか」、そして「師匠とは、どういう存在なのか」を、折に触れて、自分の実感のままに語っていきたい。
正木 仕事や家事、活動で忙しいなかですが、「勤行しなさい」とだけ言うのではなく、なぜ祈るのか、祈るとどうなるのか、今の生活・学習状況において何を目指して具体的に祈っていくのか、子どもの目線で一緒に考えることです。
原田 小さいお子さんをもつ婦人部の皆さんは、わが子が広布後継者に育つように、元気で健康で立派な人材になるようにと祈り、子育てに奮闘しています。本当に尊い存在です。

平凡こそ幸福の道

杉本 4月11日は「ヤング・ミセスの日」です。86年(昭和61年)のこの日、桜花爛漫の第2総東京・小平文化会館を池田先生と奥様がご訪問。御書を学んでいたヤング・ミセスの友や子どもたちと勤行・唱題し、先生は次のように語ってくださいました。
 「毎日、毎日が、同じことの繰り返しの連続であるかもしれない。それは、まことに平凡なことに思えるが、一家にあって欠かせない、もっとも大切な役割を担っているのである。この平凡というなかには、じつは幸福への確かな道がある。ここにご婦人を一家の太陽≠ニいう意義がある」
原田 平凡こそ偉大であり幸福である――深い指導です。育児や地域友好の最前線で懸命に頑張る姿を、心から賞讃(しょうさん)されています。
杉本 第2総東京では、ヤング・ミセスのリーダーが集い合う「ヤング桜城(おうじょう)池田会」、また各支部で「ヤング微笑(ほほえ)みカレッジ」を開き、先生の指導を研鑚(けんさん)し、奥様の『香峯子(かねこ)(しょう)』も学び、日々前進しています。
小川 また多くの友が子育てサークルなどをつくり、友情を広げています。
杉本 以前から地域サークルを開いている府中栄光区府中創価本部の友は、大震災から1年にあたり、防災をテーマに集いを開催。参加者の大半が学会員ではない友人で、30人を超える子どもたちと一緒に、自助(じじょ)の大切さを学びました。子どものための防災グッズも用意し、実際に手で触れながら意識向上を図ることができました。「子育てに忙しく、地震対策まで手が回っていませんでした。いろいろ学べてよかったです」と参加者に大好評でした。
棚野 わが地域を、よりよく、幸福にしたいとの思いが素晴らしいですね。
杉本 秋川太陽区秋川栄光本部の本部副ヤング長は、親族の方々が(やまい)と闘っており、信心で宿命転換をと頑張っています。そのなか地元のために尽くしたいとの思いから、防災意識を高めてもらおうと、近隣の皆さんに声掛けを行っています。新しく開発された地域で皆が新住民のため、近所づきあいのない場所でしたが、防災に関する資料を受け取った皆さんは「本当に助かります!」と感謝。多くの方々と(きずな)を結ぶことができました。また読み聞かせサークルも開き、信頼を大きく広げています。
正木 しっかりと地域に根を張っていますね。模範の友好拡大です。
小川 池田先生は4・2「第2総東京の日」を記念して、「朗々(ろうろう)たる題目で、わが元初(がんじょ)の生命を輝かせながら、いよいよ本領を発揮し、偉大な勝利の歴史を創っていこう!」と呼びかけてくださいました。
 私たちは師匠のもと世界一の仲良き団結で、友情を深める対話をさらに勢いよく進めていきます!

(2012. 4.12. 聖教新聞)

 

 

<25> 友情と信義が開いた文化交流
出席者:原田会長、正木理事長、小川第2総東京長、杉本第2総東京婦人部長、棚野青年部長、吉井女子部長

棚野 八王子市の東京富士美術館で行われている「地上の天宮(てんきゅう) 北京・故宮(こきゅう)博物院展」が大盛況です。
吉井 国家一級文物(ぶんぶつ)16点を含む約200点が公開され、女性と子ども≠テーマに后妃(こうひ)たちの宮廷(きゅうてい)生活を紹介する展示が反響を呼んでいます。
原田 日中国交正常化40周年を記念する(もよお)しです。先月の開幕式と鑑賞会に、中国の程永華(ていえいか)駐日大使はじめ15カ国の大使館関係者ら来賓約600人が出席されたことからも、期待と関心の高さがうかがえます。
杉本 第2総東京には女性広報部があり、各界の有識者や地域の名士の方々と深い友情を結んでいます。故宮博物院展も大変に多くの方々が鑑賞しています。日中友好に尽力するNPO法人の方は、「何度も故宮に行っていますが、このような素晴らしい展示を見たことはありません。故宮の貴重な品々が、東京富士美術館でよみがえり、喜んでいるように感じました」と語っていました。
小川 またある翻訳家の方は、創立者の池田先生が命がけで日中友好に尽くしてこられた足跡(そくせき)に驚き、「池田先生は人間として、日本人として尊敬すべき方です」と述べていました。
正木 創価大学でも、東洋哲学研究所の創立50周年を記念して「法華経(ほけきょう)――平和と共生(きょうせい)のメッセージ」展が開催され、多くの方々が来場しています。
棚野 法華経研究の世界的大家(たいか)であるインド文化国際アカデミーのロケッシュ・チャンドラ理事長は、こう語っておられました。
 「創価学会、そして、池田大作博士がいたからこそ、仏教は衰退しませんでした。学会によって、日本は安定し、世界に仏教が広まっていったのです。池田博士は、21世紀の偉大なリーダーであり、価値創造の指導者であります。21世紀においては、博士こそが正しい価値観を持っておられます」と。
原田 故宮展も法華経展も、先生への絶大な信頼があって実現したものです。先生が築いてこられた友情と信義(しんぎ)のお陰で、人類の至宝(しほう)を目にすることができます。心から感謝しながら、文化の催しを通して、理解の輪を広げていきたい。

青年を先頭に前進

正木 第2総東京は、全国をリードする弘教(ぐきょう)を成し遂げた男子部をはじめ、皆さんが明るく、力強く語らいを進めていますね。
杉本 婦人部は各地で、池田先生の小説『新・人間革命』を学び合う「コスモス平和大学校」を開き、女子部も加わりながら、先生の指導を胸に刻んでいます。ここには友人も参加し、小説を読み進むうち自ら「私も入会したい!」と希望される方が多くいます。今年は1500人以上の友人が出席しています。
原田 素晴らしいですね。女子部や友人と共に、先生の哲学を学ぶ。理想的な取り組みです。
小川 壮年・婦人部とも後継の育成に全力を注ぎ、自分たちも青年の息吹(いぶき)を吸収して前進しています。
 東村山戸田区大勝本部では、壮年の活動者の皆が弘教に挑戦し、その勢いが新たな人材を呼び、ほぼ全ブロックで五勇士を達成。青年の育成のため毎週、男子部と勤行会を重ね、男子部は全国を牽引する圧倒的な弘教が実りました。
杉本 小平栄光区広宣本部の婦人部本部長は一昨年、脳腫瘍、脳梗塞になりました。後遺症の心配もありましたが、信心根本に乗り越え、その大確信と師匠との原点を胸に婦人部員一人一人を激励。皆が友好拡大に立ち上がり、今年のコスモス平和大学校にはブロック平均1人を超える友人が出席しています。昨年の青年大会には本部の青年部・未来部が約120人、今年の本部主催の青年セミナーには友人が約90人も参加。青年を先頭に、拡大の熱意にあふれています。

道理証文より現証

吉井 婦人部の皆さんはいつも温かく女子部員を激励してくださいます。女子部員が遠くの友人のところへ対話に行くと聞けば、支部や地区の婦人部長も同行してくださるなど、熱い応援をいただいています。
 三鷹王者区の女子部副部長は6年前に入会。友人との対話に励みながら、何より両親の幸福を祈り抜いています。故郷から両親が上京した際、本部幹部会の中継行事に共に参加。婦人部の方も歓迎してくださるなかで対話すると、父親は「娘が学会に入って人の気持ちが分かるように変わった」と一言。一緒に信心したいという彼女の素直な思いに両親とも入会を希望。会合参加を重ね、聖教新聞を友人に勧めるなど日々、学会理解を深めています。
棚野 八王子栄光区のある男子地区リーダーは昨年、宮城県出身の友人に御本尊を授与できました。友人は大震災で心を痛め、自身の病気や就職で悩んでいました。入会後、(やまい)が快方に向かい、就職の内定を勝ち取って確信をつかんだ友人は、紹介者と一緒に対話に挑戦。同じく病気や就職で悩んでいた別の友人2人に御本尊を授与できました。さらにそのうちの1人が同居する兄と対話。入会後の弟が生き生きとする姿に心を動かされ、その兄は先日、入会しました。
原田 相手の幸福を思う一人の真心が、友人の心に響きます。信心の揺るぎない確信と体験が、皆の胸を打っていきます。
吉井 「日蓮仏法をこころみるに道理(どうり)証文(しょうもん)とにはすぎず、又道理証文よりも現証(げんしょう)にはすぎず」(御書1468n)です。新会員が「明るくなった」「成長した」という目に見える実証が、何よりも日蓮仏法の偉大さを証明します。
小川 とくに身近で見ている家族は、よりはっきりと分かります。だからこそ未入会家族の方にも信頼され、「信心で成長した」と喜んでもらえるようになることですね。
正木 新会員の成長は、皆の喜びです。御本尊を受持したことがゴールではなく、勝利の人生へのスタートです。5月には新会員教学講座の中継行事もあります。学会家族≠ノ仲間入りした同志、新しく立ち上がった人材を、皆で心から励ましていきたい。

(2012. 4.16. 聖教新聞)

 

 

<26> 聖教の拡大が仏縁の広がりに
出席者:原田会長、正木理事長、本郷北陸長、杉本婦人部長、表川北陸男子部長、吉井女子部長

吉井 4月20日、聖教新聞の創刊記念日を迎えます。1951年(昭和26年)から60年以上にわたり、全国と世界の同志へ希望を送ってきました。
原田 その半世紀を超える歴史で一貫して聖教新聞の発行に尽力してこられたのが、池田先生です。広宣流布は言論戦です。先生は休みなく、小説や随筆、長編詩、指導などを発表し続け、「広布の言論城」としての聖教を発展させてくださったのです。
杉本 聖教新聞に連載中の「名誉会長と共に 今日(きょう)も広布へ」で、こう述べられています。
 「戦後、戸田先生の事業が絶体絶命の苦境の中で、聖教新聞は構想された。先生は、折伏と聖教の拡大を、広宣流布の両輪(りょうりん)と考えておられた。その心を知る私は、来る日も来る日も、大勇猛心(だいゆうもうしん)(ふる)い起こし、(ちから)の限り、書いて書いて書き続けてきた。先生の偉業を、わが命にかえても、後世に留めるために。自らも聖教を配り、購読を推進してきた」と。
正木 聖教新聞は、まさに池田先生の手づくり≠ナす。師匠の正義、妙法の偉大さを宣揚(せんよう)し、日蓮仏法の生命哲学を世界へ弘めゆく新聞です。
原田 だからこそ、聖教新聞の発展を支えてくださる方々の功徳(くどく)は、どれほど大きいか。「無冠の友」、通信員、新聞長をはじめとして、聖教拡大のために尽力してくださる全ての皆さま、愛読者の方々に、心から御礼を申し上げます。
表川 「無冠の友」の皆さんは、この長く寒い冬、雪の大地を踏みしめ、一軒一軒に幸福の便り≠届けてこられました。本当にありがとうございます。

購読を機に入会へ

本郷 北陸でも、聖教で学会の真実を知り、入会する人が数多くいます。
 石川・金沢圏の壮年部副本部長は毎朝、道すがら出会う地域の方に聖教を読んでもらっています。ある友人は「素晴らしいことが書いてあるから」と新聞を大切に保管。また毎日、川辺で魚釣りをしている方も読んでくれ、副本部長が来るのを楽しみに待ってくれるようになりました。こうして学会理解が着実に広がり、3人の方へ弘教が実りました。そのうち1人は聖教の代配(だいはい)を担当し、別の1人は友人への弘教を果たしました。
正木 壮年らしい地道(じみち)で粘り強い姿ですね。
表川 富山で幼稚園の園長をしている婦人の方は、「教育はどうあるべきか」と日々模索し続けるなかで、知人の紹介により聖教新聞を読みました。池田先生の指導に接して「ここに人間教育の真髄がある」と感動。以来10年以上にわたって購読し続けました。青年への慈愛(じあい)あふれる言葉、また地域の学会員の振る舞いに感激するなかで、「私が人生をかけて求めてきた理想の教育の答えは学会の中にある」と実感。晴れて入会されました。
杉本 先生が自ら言論戦で学会理解を大きく広げてくださっています。本当にありがたいことです。
本郷 石川・日本海圏の地区婦人部長は、総合病院で薬剤師として働くドクター部員です。大手薬局チェーンの重役に、健康や医療に関する聖教の記事を渡してきました。すると重役は聖教を購読し、「聖教に載っている倫理や道徳は仕事にも役立つ」と、職場にも置くようになりました。いくつかの店舗でも購読し始め、さらに同業者にも自ら聖教を勧めるほど、信頼を寄せています。
原田 戸田先生は、「私は聖教新聞を、日本中、世界中の人に読ませたい。それ自体が、仏縁(ぶつえん)を結ぶことになる」と語っておられました。広布の拡大に直結する聖教の拡大に、勇んで打って出ていきたい。

礼儀と真心で交流

吉井 大型連休が近づいてきました。普段は会えない遠方の友人、久々に再会する知人と有意義に語り合っていきたいですね。
表川 「(かがみ)(むか)って礼拝(らいはい)()す時(うか)べる(かげ)(われ)を礼拝するなり」(御書769n)との御文を通して池田先生は、こう述べておられます。
 「開かれた心で打って出て、多彩な人々と生き生きと対話し交流する。他者の生命を尊敬し、共に学び合ってこそ、互いの個性がより光り輝いて、創造の花を咲かせていくことができるのではないでしょうか」
吉井 また「友達の一日に十度・二十度(きた)れる人なりとも千里・二千里・来れる人の(ごと)く思ふて礼儀(れいぎ)いささか・をろかに思うべからず」(同1527n)との御文について、こう指導されています。
 「友を迎える時も、訪ねる時も、礼儀を重んじ、真心で交流する。これが仏法者の生き方である。『礼』とは『文化の力』なり。傲慢(ごうまん)覇道(はどう)。誠実は王道である。我らはどこまでも人間主義で勝ち進むのだ!」
正木 相手を尊敬し、真心で接すること。礼儀を重んじ、誠実に振る舞うこと。そして、心を開いて、相手から学んでいくこと――友好拡大の要諦(ようてい)を教えてくださっています。
杉本 先生は、国籍や人種、宗教、文化、言語、イデオロギーなど、あらゆる差異を乗り越え、世界中で友情を(はぐく)んでこられました。その語らいに学べば、私たちも、どんな人とも共感し合い、友好を広げていくことができます。
原田 池田先生は、「大確信をもって一貫して正義を打ち込むことほど強いものはありません。これが折伏(しゃくぶく)精神です。これが学会精神です」「どんどん、しゃべって、しゃべり抜いて、友情と信頼の薫風(くんぷう)を広げよう!」と語られました。自信と確信をもって友と語り合い、友情を深めたい。
本郷 4月28日「石川の日」「富山の日」の淵源(えんげん)となった1974年(昭和49年)、北陸広布20周年記念総会での池田先生の指導は、私たちの永遠の指針(ししん)です。それは、「(いさぎよ)い信心」を根本に「積極的に勇んで」戦っていくことです。
 この師匠の指導通りに、大きく動き、大いに語り合い、励ましの対話を(ほが)らかに進めていきます!

(2012. 4.19. 聖教新聞)

 

 

<27> 皆が青年の気概で挑戦!
出席者:原田会長、正木理事長、本郷北陸長、杉本婦人部長、表川北陸男子部長、吉井女子部長

杉本 5月3日「創価学会の日」「創価学会母の日」を祝賀する本部幹部会が、晴れ晴れと開催されました。
吉井 中継行事が行われた各会館には、皆さんが決意も新たに集い合い、よりいっそうの勢いで友好拡大に出発しました。
正木 池田先生は「誓いを貫く人は永遠の勝利者なり」と強調し、「御本仏・日蓮大聖人に直結し、『広宣流布の誓い』を立て、貫き通してきたのが、創価の三代の師弟であり、この『師弟の誓い』が永久に輝きわたる原点の日こそ、5月3日なのであります」と述べておられました。
原田 池田先生は、戸田第2代会長が1951年(昭和26年)5月3日に就任して(だい)折伏(しゃくぶく)の誓いを立てた際、「一対一のひざづめ談判」、つまり、「一対一」で正義を打ち込む、勇気の対話によって、広宣流布は成し遂げられるのである≠ニ宣言されたことを紹介してくださいました。
 一対一の勇気の語らいこそ広布拡大そのものです。われわれの地道な一つ一つの対話が、広宣流布を築きゆく偉大な一歩一歩なのです。どれほど使命と福運が大きいことでしょうか。

心の壁を打ち破れ

本郷 石川、富山の両県とも現在、記念月間として、友情の拡大、人材の拡大、聖教の拡大に勇んで取り組んでいます。その先頭に立つのが、「広布の宝」である男女青年部の皆さんです。
表川 昨年の創価青年大会で発心(ほっしん)した人材たちが、地域に新風を送り、先駆(せんく)しています。
 石川のある男子部員は、昨年、がんだった母親が危篤に陥りました。彼は宿命転換のために青年大会を目指して立ち上がり、一家で団結して母親のために懸命に祈りました。その姿を見て未入会の兄嫁が入会を希望。母親は安らかに霊山(りょうぜん)へ旅立たれましたが、母親の信心を受け継ごうと決意した男子部員は創価班大学校に入校。家族一体で友人の幸福を祈り、対話を続けるなかで先月、御本尊を授与できました。兄嫁も本年、入会しました。
杉本 青年が母親の心を受け継ぐ。本当に頼もしく、素晴らしい姿です。
表川 富山のある男子部員は新入会メンバーです。近所に住む男子部部長と出会い、一緒にジョギングしたことがきっかけで対話が深まり、入会しました。
 一番の悩みだった職場のことを祈るなかで、大きな仕事を任されるまでに信頼を獲得。信心への確信をつかみ、友人との仏法対話にも挑戦しました。自分らしく題目の素晴らしさを語った言葉が友人の心に響き、本年1月に弘教(ぐきょう)を達成。いまは牙城会大学校に入校し、対話と聖教の拡大に邁進(まいしん)しています。
原田 池田先生は、青年の活躍を本当に喜んでくださっています。それはとりもなおさず、青年時代の先生ご自身が、学会の最前線で仏法を語り、同志を励まし、不惜身命(ふしゃくしんみょう)の思いで世界広布の(いしずえ)を築いてくださったからです。
正木 そうですね。池田先生の闘争は全て、「最も大変なところ」へ飛び込んでいく戦いでした。
 蒲田の2月闘争、文京の戦い、小樽問答、札幌・夏の陣、大阪の戦い、山口開拓闘争、夕張闘争など、いずれも青年の「熱」と「力」で困難を突破してこられた歴史です。
吉井 池田先生は若き日の闘争を振り返り、こうスピーチされています。
 「波乱万丈であった。何もかも勝ち越えた。そういう弟子に、君たちも、なってもらいたいのだ。(戸田)先生は、後継の若き指導者に、こう教えてくださった。『自分が行ったところで、自分の力を示すのだ! 最も大変なところでこそ、断じて勝つのだ!』」
 「恵まれた、いいところにばかり行けば、楽かもしれないが、常勝の剣は磨かれない。一番、状況の悪いところで勝つ。それが本当の勝利者である。功徳(くどく)も大きい」と。
本郷 広宣流布のために尽くした分だけ、自分自身が成長します。境涯(きょうがい)革命できます。本当に重要な指導です。もちろん青年部だけではなく、皆がいつまでも若々しい心、挑戦する気概をもち続けていきたい。
原田 自身の心の壁を打ち破り、大胆に、勇敢に、広布拡大の勝利の歴史を開いていく。これが創価の弟子の生き方です。朗々(ろうろう)たる題目で生命力を湧かせ、動きに動き、語りに語っていきたい。

慢心と油断が危険

正木 これから大型連休に入り、帰省などで遠い場所に足を運ぶ方が多いでしょう。交通事故にはくれぐれも気をつけていきたい。
杉本 自動車・バイクでも、自転車でも、交通規制を守ることは当然です。そのうえで、十分な余裕をもって行動することが大切だと思います。
本郷 そうですね。同じように車を運転していても、心にゆとりがあるか、焦っているかで、事故を起こす危険性は異なります。何ごとも事前の準備と安全確認が第一です。
表川 さらに車上荒らしや置き引きにも、警戒が必要です。車内や公共スペースに、大事な物を不用意に放置することなどないよう、厳重に管理していきたいですね。
吉井 貴重品や大切な資料などは、必要ないのであれば、むやみに持ち歩かないことですね。同志の皆さんのプライバシーに関わることなら、なおさらです。
原田 いずれにしても、慢心(まんしん)と油断が最も危険です。ちょっとぐらい、いいだろう≠ニいう気の緩みが事故のもとです。
正木 「月月・日日につより(たま)へ・すこしもたゆむ心あらば()たよりをうべし」(御書1190n)との御文の通りです。魔がつけいる心の隙を与えないためには、朝晩の勤行・唱題で絶対無事故を真剣に祈っていくことですね。
杉本 信心しているから大丈夫≠ナはなく、だからこそ賢明に知恵を働かせ、健康で元気に、充実した日々を過ごしていきたいと思います。

(2012. 4.26. 聖教新聞)

 

 

<28> 学会は永遠に大聖人直結
出席者:原田会長、正木理事長、西山関西長、杉本婦人部長、古屋関西青年部長、吉井女子部長

吉井 4月28日の「立宗(りっしゅう)の日」は、『御書全集』の発刊記念日でもあります。今年は60周年という大きな佳節(かせつ)を迎えました。
正木 1951年(昭和26年)5月3日に第2代会長に就任された戸田会長が、まず着手されたのが、日蓮大聖人の御精神を伝える新たな御書の発刊事業でした。
原田 学会が戦時中に弾圧を受けた際、退転者が多く出たのは教学がなかったからである――戸田会長のそう考え、(てっ)して教学に(ちから)を入れられました。
西山 確信のない信心は、困難にぶつかったときに弱い。教学に裏付けられた大確信があってこそ、いかなる障魔(しょうま)も乗り越えられます。
原田 御書発刊は、人類を救済しゆく日蓮仏法の生命哲学を万人(ばんにん)に伝え、世界へ広めゆくための最重要にして壮大(そうだい)な事業でした。
古屋 御書はいまや、英語、中国語、フランス語、スペイン語などに翻訳されています。本年だけで、日本以外のSGI(創価学会インタナショナル)52カ国・地域で15万人が教学試験を受ける予定です。
吉井 スペイン語版の御書を総合監修された国立マドリード・コンプルテンセ大学教授のカルロス・ルビオ博士は述べられました。
 「仏法の(ひかり)、幸福の光で人々を照らすことは、必ずや世界平和につながると確信します。こうした大事業の一翼(いちよく)(にな)うことができ、深く感謝しています」と。
 キリスト教徒の博士が、ここまで語られるのは大変なことです。
杉本 「本朝(ほんちょう)聖語(せいご)も広宣の日は(また)仮名(かな)(やく)して梵震(ぼんしん)(つう)()し」(御書1613n)との日興上人の(おお)せを、世界的に実現したのは学会です。
古屋 それに対して日顕宗は、法主(ほっす)本仏(ほんぶつ)論、僧俗(そうぞく)差別(さべつ)()など、御書にない邪義(じゃぎ)を振りかざしている。(まった)くの「師敵対(してきたい)」そのものだ。
正木 最も象徴的なのは、91年(平成3年)に送りつけてきた「破門通告書」に御書の御文が一文もなかったことだ。世界広布を進めてきた仏意仏勅(ぶついぶっちょく)の学会を破門するなど、教義的な裏付けがあるはずがない。いかに大聖人の御精神に(そむ)いた暴挙(ぼうきょ)であったか。その結果が、最盛期の2%まで信徒が減った衰退(すいたい)ぶりだ。仏法の因果(いんが)は厳しい。

「絶対勝利」の活力

原田 ともあれ、学会が大聖人直結で、「信・行・学」という仏道修行の王道を真っすぐに歩むことができているのも、御書発刊のおかげです。
杉本 戸田先生は御書の「発刊の辞」で「諸法実相抄(しょほうじっそうしょう)」を引かれています。
 「行学の二道をはげみ(そうろう)べし、行学た(絶)へなば仏法はあるべからず、(われ)もいたし人をも教化(きょうけ)(そうら)へ、行学は信心よりをこるべく候、力あらば一文一句(いちもんいっく)なりともかた(談)らせ(たま)うべし」(同1361n)
 この御文通り、学会には「実践の教学」「生きた教学」があります。
西山 56年(昭和31年)の「大阪の戦い」の指揮を執られた池田先生は、毎朝、関西の同志に御書講義をされました。その大確信みなぎる講義が、「まさか≠ェ実現」の大勝利の原動力となりました。
古屋 池田先生は、「不可能を可能としゆく『法華経(ほけきょう)兵法(へいほう)』『妙法の将軍学』を心肝(しんかん)に染め抜いた。『絶対勝利』の活力を満々と(みなぎ)らせて、皆が最前線に躍り出た。そして、勇敢に道を切り開いていったのである。御書根本こそ常勝のリズムである」と述懐(じゅっかい)されています。
正木 教学があるからこそ、学会のあらゆる活動がより深い「信心の戦い」になります。

大確信で友を激励

西山 関西婦人部では各地で、グループ長などが参加して伝統の「旭日教学大学校」を行い、先生の御書講義を学んでいます。研鑚(けんさん)したことを最前線のグループでも学び合い、草の根の学習を通して大確信あふれる関西婦人部の陣列を築いています。
 壮年部も人材グループやヤング壮年部の集い、サンデー勤行会で教学研鑚に励んでいます。
古屋 関西男子部では独自に一般講義を開催。会館別の講義では関西一円の約170会場で1万数千人が参加しています。最前線の幹部が自ら講義を担当し、リーダー自身の教学力・指導力も向上しています。3年前からは本部長・部長の代表で「常勝教学大学校」も開き、実力ある新しい人材が育っています。
 英知の学生部も、伝統の大学別御書講義や部長大学校、人材グループなどで偉大な生命哲学を学び、言論の力を養っています。
吉井 戸田先生は「女子部は教学で立て」と永遠の指針を贈ってくださいました。また、池田先生は「御書と青年」<御書根本の常勝>で、「女子部は一人も残らず、これ以上ないという幸せを勝ち取ってもらいたい。そのために教学がある」と語ってくださっています。
 関西女子部でも、御書池田大学校で先生の講義を学び合うとともに、「池田華陽会 御書30編」を研鑚。さらに各地の教学部長を「常勝教学部長」と命名。学会創立100周年を目指して「御書根本の常勝! 関西池田華陽会」をテーマに、皆が師匠と同じく御書根本に生きようと立ち上がっています。
杉本 着実な教学運動が進んでいますね。
 とくに青年部の皆さんが、若い時代から御書に親しみ、教学研鑚に励んでいることは、本当に尊いことです。
原田 学会は、永遠に御書根本です。
 ゆえにリーダーは日々、大いなる求道心を起こして御書を(はい)し、あふれる大確信をもって同志を激励していくことです。
西山 今年は、反転攻勢の関西青年平和文化祭から30周年、大阪事件の無罪判決から50周年、そして池田先生の初の関西指導から60周年です。いよいよ新たな常勝の金字塔を打ち立てる時が来ました。
 関西は青年を先頭に全員が燃えに燃え、断固、完全勝利で弟子の誓いを果たします!

(2012. 4.30. 聖教新聞)

 

 

<29> さあ!朗らかに仏縁を拡大
出席者:原田会長、正木理事長、杉本婦人部長、棚野青年部長、橋元男子部長、吉井女子部長

杉本 心晴れやかに、大前進の息吹(いぶき)のなか、5月3日「創価学会の日」を迎えました。
原田 広宣流布のために尽くす同志の皆さまの大奮闘に、衷心(ちゅうしん)より御礼申し上げます。
正木 同じく「創価学会母の日」でもあります。力強く地域友好を進める偉大な婦人部の皆さま、(まこと)にありがとうございます。
棚野 さらに5日は「創価学会後継者の日」です。未来部の皆さんの大成長を応援し、皆でしっかりと祈念(きねん)していきたい。
橋元 海外の数多くのリーダーからお祝いの言葉が寄せられています。いまや「5・3」は、世界の「5・3」です!
吉井 ブラジルのように毎年、「5・3」の慶祝議会が開かれる地域もあります。世界が池田先生の哲学・思想に共鳴し、学会の平和運動を(たた)えてくださっています。
正木 SGI(創価学会インタナショナル)が192カ国・地域に広がった姿を、かつて誰が想像したでしょう。仏法史上、未曽有(みぞう)の出来事であり、創価三代の会長、なかんずく池田先生の大闘争のおかげです。
橋元 「月は西より()でて東を(てら)し日は東より出でて西を照す仏法も(また)(もっ)()くの(ごと)正像(しょうぞう)には西より東に(むか)い末法には東より西に()く」(御書508n)との、日蓮大聖人の仏法西還(せいかん)の未来記を実現したのは先生です。

「いよいよ」の気概

原田 仏法の根幹は師弟です。池田先生が師匠・戸田先生の指導通りに、御書根本で戦ってこられたから、今日(こんにち)の世界広宣流布があります。一人で難を受け、死身弘法(ししんぐほう)の闘争を貫かれたからこそです。私たちも師匠の指導のままに自行化他(じぎょうけた)を実践し抜くなかで、自身の宿命転換、地域の発展、世界広布の伸展を果たしていけます。
棚野 池田先生は「五月三日は、広宣流布のために、師匠が立った日である。そしてまた、弟子が共に立ち上がる日である」と語っておられます。
橋元 また先日、小説『新・人間革命』ではこう(つづ)られました。
 「学会としても、さまざまな記念日を定めていますが、大事なことは、その淵源(えんげん)に立ち返り、歴史と精神を子々孫々(ししそんそん)にまで伝え、毎年、新しい決意で出発していくことです」
杉本 一人一人が明確な目標を立て、「5・3」から誓いも新たに進んでいくことが大切ですね。
正木 大聖人は「いよいよ道心(どうしん)堅固(けんご)にして」(同1184n)等と、何度も「いよいよ」と(おお)せです。目標があるからこそ日々、挑戦の気概をもてます。信心歴も役職も関係なく、皆がみずみずしい決意で出発していきたい。

世界の識者が愛読

吉井 5月は、20世紀最大の歴史家であるイギリスのアーノルド・J・トインビー博士と先生が初めて対談されて40周年です。
橋元 対談集『21世紀への対話』は28言語で出版されています。チリのエイルウィン元大統領、インドのナラヤナン元大統領、インドネシアのワヒド元大統領、国連のガリ元事務総長など名だたる指導者が愛読し、世界の大学で教科書として使用されてきました。
吉井 中国の識者もトインビー対談≠読んだという人が多いですね。中国作家協会の孫立川(そんりつせん)博士は、こう述懐(じゅっかい)されています。
 「私の友人たちは、恐らく一度ならずこの対談集を読んだことがあり、ある章節に(いた)っては、何度も繰り返し学んだものです。そのことによって、当時の中国の若き世代に、とても大きな影響を与えたのです」
 さらに「月日を経て、この池田先生とトインビー博士の対談が、極めて先見性に富んでいたことが証明されています」「この人生の教科書は、最も現代社会にふさわしいものです」とも語っておられました。
杉本 池田先生は月刊誌「パンプキン」5月号の連載エッセー「忘れ得ぬ旅 太陽の心で」において、トインビー博士との対談を振り返り、その成功を(かげ)で支えた一人の女性を紹介されています。
原田 イギリスSGI婦人部長も務められたスー・ソートン副理事長ですね。彼女は毎回の対談をその日のうちに文字に起こしていました。演劇の仕事をしていたため、タイプを打っては劇場に駆けつけるという日々でした。
杉本 仕事場でもひたむきな努力が認められ、男性中心の演劇界では珍しい、女性のカンパニー・マネージャーとなりました。仕事はもちろん、SGIの活動も、シングル・マザーとして子育ても、すべてに全力を尽くし、やがて最高峰の音楽演劇学校の役員、大学の演劇学部の理事に就任されました。息子さんも俳優となり、アメリカの地で広布に邁進(まいしん)しています。
原田 偉大な創価の母の模範です。池田先生も、「一人の女性の勝利劇が、私も妻も、何より嬉しく、感謝と敬愛の大喝采を送っています」と綴られていました。
棚野 先生は先日の「随筆 (われ)らの勝利の大道」<勝利のリズムで前進>のなかで述べられました。
 「妙法を(とな)え、張り切って動き、快活に対話し、仏縁(ぶつえん)を結び広げていく――この学会活動の一つ一つが、どれほど偉大な仏道修行か。どこまでも地道に、一つ一つ、やり切っていく。どこまでも勇敢に、一つ一つ、勝ち切っていく。そこに、無量(むりょう)功徳(くどく)が集まり、無辺(むへん)善根(ぜんこん)が広がっていく。縁するすべての人びとも、希望の人生へ、幸福の人生へと、リードしていくことができる」と。
 地道な学会活動を貫くことで、私たち自身も、縁する人々も、幸福になる軌道を進むことができます。
原田 われわれは池田門下生として、師匠と共に前進あるのみです。妙法で得た歓喜、そして師匠と共に生きる希望を、一人一人に堂々と語っていきたい。自分らしく(ほが)らかに仏縁を拡大する――その偉大な対話への挑戦が、幸福勝利の王道なのです。

(2012. 5. 3. 聖教新聞)

 

 

<30> 同志の成長に真心を尽くそう
出席者:原田会長、正木理事長、西山関西長、杉本婦人部長、古屋関西青年部長、吉井女子部長

西山 池田先生が、「わが常勝関西の淵源(えんげん)」と言われた通り、1956年(昭和31年)の「大阪の戦い」が関西の原点です。
原田 戸田先生の期待に何としてもお応えする――師弟不二(ふに)の不動の一念が、広布史に燦然と輝く大勝利を開きました。大阪の戦いに学ぶべきことは数多い。
古屋 大阪の戦いは「新しい(ちから)」で勝った歴史です。驚くことに、関西の同志の約半数が入会半年にも満たない方々でした。
正木 自身の幸せを求めて入会した人たちが、自行化他(じぎょうけた)に立ち上がり、自他共の幸福を目指した。友人に妙法を伝えるなかで自身が成長し、宿命転換できた。その確信と歓喜が関西中に燃え広がったのです。
杉本 草創の方は皆、「入会した日から先輩と対話に歩いた」と語られます。「信心が分かってから行動した」のではなく、「行動のなかで確信をつかんだ」わけですね。
吉井 池田先生は「若い力、新しい力が燃え上がり、祈り、動き、無限の(みずか)らの力を連帯し合っていったからこそ、『まさか≠ェ実現』と日本中をあっと言わせた、あの大勝利があった」と語られました。
原田 「心こそ大切なれ」(御書1192n)です。皆が若々しい決意で団結し、祈り、師匠と(とも)に進むことで大きな力が出ます。

「負けたらあかん」

古屋 新しい力の糾合(きゅうごう)には人材育成が急務です。先生は、「会う」「友と一緒に動き、一緒に戦う」ことを強調されています。
杉本 先生は人材育成について述べておられます。
 「辛労(しんろう)を尽くした、真剣な心なくしては、決してできるものではない。しかし、焦るな。だが、絶対に時を逃すな。出会いの一瞬一瞬が勝負だ」
 「どれだけ誠実に友に会い、友を知り、友と語り、友を励まし続けたか。どれだけの友に、発心(ほっしん)と成長の(たね)を植えたのか。ここに、すべての勝敗は、かかっている」と。
原田 使命ある同志を大切に思うからこそ、幸福と成長を真剣に祈り、一回の出会いに全力を注ぐ。時には仕事や家庭状況に耳を傾け、時には御聖訓(ごせいくん)を引いて確信を打ち込み、時には心ゆくまで一緒に祈る。一緒に活動に歩く。真心の積み重ねで人材は育ちます。
西山 一方、大阪の戦いは順風満帆だったわけではありません。大阪支部が1カ月で1万1111世帯の折伏(しゃくぶく)という金字塔を打ち立てた5月は、障魔(しょうま)の嵐が吹き荒れた時でした。
正木 そうです。一般紙が事実無根の捏造(ねつぞう)記事で学会の悪口を喧伝(けんでん)しました。「行解(ぎょうげ)(すで)(つと)めぬれば三障四魔(さんしょうしま)紛然(ふんぜん)として(きそ)(おこ)る」(同1087n)との御文通りです。同志は先生の指導のもと、難が起こるのは信心の正しさの証明だ≠ニ勇み立った。先生の大確信が、入会間もない友に勇気を与え、逆境をも前進の力に変えたのです。
古屋 大阪の戦いを経験した方は「大変やったけどあんなに楽しかったことはない」と語られています。一方、その翌年、何の罪もない先生が不当逮捕された大阪事件には「あんなに悔しかったことはない」と権力への怒りを語られます。
西山 だから関西の同志には「負けたらあかん」との常勝不敗の(たましい)が燃え盛っているのです。

祈り・励まし・支え

古屋 いま関西青年部は常勝後継の誓いを立て、勇躍前進しています。
 滋賀・彦根王者圏の圏男子部長は、どうしたら皆が勝利できるか悩んだ時、かつて祖父が池田先生から受けた指導を思い起こしました。「生け花の剣山(けんざん)に刺す花は、真っすぐなものもあれば曲がっているものもあるでしょう。全部真っすぐではつまらない。それぞれの長所、短所を生かすのがリーダーだよ」との先生の言葉を胸に同志と語り合い、皆の良さを引き出しながら激励。活動者が着実に増え、部平均1人以上の大学校生を輩出でき、この連休中に弘教(ぐきょう)を実らせた大学校生もいます。またこの圏男子部長は社会科学の博士で、数十倍の難関を突破し、今春から大学で研究者として活躍しています。
吉井 和歌山・紀州圏のある女子部員は、(やまい)で働けなかった時に学会員の励ましを受けて、昨年、入会したメンバーです。唱題すると「また働きたい」という挑戦の心が芽生えました。真剣に祈るなかで就職でき、入社後の人間関係の悩みも乗り越え、社内試験にも合格。すると、生き生きと変わっていく娘を見たお母さんが学会の素晴らしさを実感し、晴れて入会されました。
古屋 大阪・寝屋川創価圏の学生部グループ長は、現代医学では治らないと言われる難病と闘っています。「宿命転換には折伏しかない」と母親から励まされて育ち、「病に翻弄される人生は歩みたくない」と仏法対話に立ち上がりました。何十人と対話の末、家族や同志の応援もあって本年、初めて弘教を達成。その歓喜をもっと広げたいと決意し、別の友にも弘教。「どんな現実にも前向きに生きられるのは信心のおかげです」と語っています。
西山 大阪・茨木創価圏の高校生は、父親と二人暮らし。父親は長く学会活動から遠のき、高校生の彼は未入会でした。彼は学会員の祖母や地域の支部長との出会いから本部幹部会の中継行事に参加し、学会が「自分を成長させてくれる」と実感。支部長が地道に訪問激励をするなか、昨年秋には「信心で将来を切り開きたい」と決意を固め、その後に入会。父親も一緒に再び立ち上がりました。彼は、父に親孝行したいと頑張っています。
杉本 親族や支部長をはじめ地域の同志がじっくりと見守り、祈ってこられたことが分かりますね。
正木 人材が立つ(かげ)には必ず、祈り、励まし、支え続けてきた同志がいます。
原田 そうです。先生の大闘争に学び、私たちも(てっ)して祈り、一人一人に会っていきたい。幸福も勝利も全てそこから開けます。

(2012. 5.10. 聖教新聞)