T.体勢等による区分


目 次
T.体勢等による区分
U.佐賀型の細分類
V.全国狛犬の系統
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佐賀県狛犬事情
佐賀県内で見ることのできる狛犬は、「佐賀型」と「筑後型」が中心です。
佐賀型はいったいに小柄で尾が棒状、筑後型は大柄で尾が扇状という顕著な違いがあります。佐賀型は県央から県西部に、筑後型は県東部の鳥栖・三養基地区に多く分布しています。筑後型は隣接する福岡県筑後地方に発祥したものです。県内にはそのほかに、ごく少数の出雲型および系統不明の幾つかのタイプが存在しています。
また時代区分的には、佐賀型は桃山時代に発生した「肥前狛犬」を嚆矢とします。その後、おおまかには100年毎に新種が登場して新世代を形成してきました。その変化はほぼ世紀の変わり目あたりに起こったと考えられ、この傾向は全国の狛犬たちにも見られる点、興味深く感じられます。



T.体勢等による区分

タロウ

狛太郎のお気に入りです。小柄で俊敏そうな体付き、V字形に吊り上がる眉と見開いた目、ほほを膨らませ、いかにもきかん気そうなやんちゃ坊主です。三頭身の幼児体型なので余計に愛嬌があります。特別に「タロウ」と名付けて可愛がっています。
大和町尼寺(にいじ)の印鑰(いんにゃく)神社にその典型があり、ほかにも町内外に多くの「タロウ」がいます。

(大和町・印鑰神社の純正タロウ)

蹲踞(そんきょ)

狛犬は一般的には蹲踞の姿勢を取っています。難しい言葉ですが、平たく言えば「お座り」にほかなりません。最も伝統的なスタイルで安定感もあり、狛犬像としての基本形と言って差し支えありません。
その一方で、これとは違う形のものも少なからずあり、変化に富んだ様々な狛犬たちが、鑑賞家の目を楽しませてくれています。

(佐賀市松原町・松原神社)

岩狛(いわこま)

蹲踞でない狛犬の一つの典型が岩狛です。前方の岩山に前足を掛けて、半ば立ち上がった姿勢をとっているものを「岩狛」と名付けました。
岩狛にも色んなタイプがあり、岩の高低や前肢の位置、後肢のスタンス、体の傾斜などによって、多様な造形が生み出されています。おおむね後肢はピンと伸ばしていて、躍動感のある良い造形です。
(大和町西山田・貴船神社の岩狛)


出雲式
(いずもしき)

蹲踞でない、もう一つの典型が「出雲式」です。頭を低くし、お尻を高く上げた構図で、佐賀県内でも少数ながら見られます。
来待石という宍道湖畔産の砂岩製なので、石質が柔らかく流麗な細工が可能な反面、風化には極めて弱いのが難点です。
耐用年数はほぼ人間の寿命と同じ、と言われるほどです。
島根には堂々たる出雲式がいくつもありますが、完形を保ったものは本場でも少ないのです。
佐賀県内の出雲式も殆どが崩壊の危機にさらされています。

(松江市東出雲町・揖夜神社)

肥前狛犬(ひぜんこまいぬ)

佐賀の狛犬を語る上ではずせないのが肥前狛犬です。その名の通り、ほぼ佐賀県内にのみ分布する珍種で、独特の顔立ちと体型、大胆なデフォルメと省略が見る者を引きつけます。江戸時代の最初期に盛んに造られ、古さでも群を抜いています。
30a程度の小型犬で軽量なため、場所はやたらに公開しない方が、公共の利益にかなうでしょう。  
そのうち、様子を見ながら可能な限り公開します。


亜狛犬(あ・こまいぬ)

珍種中の珍種です。非常に古いことは確かですが、肥前狛犬とは明らかに系統が異なります。
円柱形の体と底面に浅く彫られた顔面、あるかなしかの四肢などが特徴です。
正しくはどう安置するのかも不明です。
類例はほとんどなく、系統付けることも不可能なため、亜狛犬と名付けました。
(佐賀市与賀町・与賀神社)

子取り・玉取り

アウンとも、またはアウンのどちらかが、子獅子を連れていることがあります。これを「子取り」と呼び、霊獣というよりはぐっと現実の動物に近い印象となります。また足の下に玉を踏んでいるのが「玉取り」です。
玉の大きさは狛犬によって極端に違いがあり、こぶしの一部かと思うほど小さいものから、両手で持って余りあるほど大きいものまで様々です。

(小城郡小城町・須賀神社)

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