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阿(ア)像と吽(ウン)像 | |
狛犬は向かって右が「阿(ア)像」で、左が「吽(ウン)像」です。アウンとは古代インド語(サンスクリット)の「アー、フーム」の音訳で、物事の始まりと終わりを意味しているといいます。アが口を開き、ウンは閉じています。また一対で「狛犬」と言いますが、本来はアは唐獅子、ウンが狛犬であり、別の動物なのですが、現実には両方を獅子形に造ります。面白いことに、名前は犬が取り、形は獅子が取ったわけです。時には「雄雌」に造ったものもありますが、これはさすがに曲解でしょう。 |
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棒状の尾 |
尾の形状は大別すれば棒状と扇状に分類できます。県内では棒状が優勢ですが、鳥栖市周辺では扇状が見られます。扇状は西日本に多い様式と推測していますが、浅学にして確認には至っていません。棒状と言っても実は多彩であり、最も単純なものでも毛筋のある太い芯に、左右一対の枝(支)か渦を持っています。非対称のものもあるので、手前から見たときの形で表現を統一しました。 |
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「棒状の尾」は基本的に、中心となる「芯」と、脇に付く「渦」または枝状の「支」からなります。写真のものは渦とも言えますが、先端が渦で終わらず、一回転して上方に伸びています。この意匠は三日月町でよく見られます。(ネジリ芯一回転支。久保田町の香椎神社) |
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扇を開いた形の尾を扇状と名付けました。鳥栖地区に多い形です。扇状の尾は幾つかの「葉」と「渦」、およびそれらの下部を装飾する枝や渦で成り立っています。このタイプもかなり多彩で、殆ど円盤状のものからパルメット、ロータス状のものなどがあります。扇状のものは正面から見た形態で表現します。(三葉二支二螺旋渦の尾。基山町の荒穂神社) |
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棒状、扇状の区分とは別に、尾がいったん狛犬の体から離れ、湾曲してまた背に接着する形式があります。真横から見ると「(逆「R」字状の尾・唐津市の満島神社) |
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棒状の尾の一部に、裏面の毛筋が麦穂状に左右に分かれる意匠のものがあります。佐賀県三日月町に数例あるだけで、他地域では見かけません。中心線を境にすっきりと伸びる斜めの筋が、狛犬には珍しいシンメトリーの美を構成しています。(麦穂状の尾・三日月町長神田山王宮) |
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分類すれば棒状の尾で、一芯二支なのですが、芯も支も先端がダンゴ状のワラビ渦となっています。しかもいずれにも毛筋はありません。三日月町の南面神社にのみ見られる特異な造形です。(ユニークな尾・三日月町の南面神社) |
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経巻(きょうまき)渦 |
たくさんの毛筋が集まり、渦巻きながら中心に集中していく形をこう名付けました。お経の本を丸めて小口から見た時の形を、和文様で「経巻」と言いますのでそれに倣いました。丸瓦の文様にも見られます。そう言えば、佐賀では昔、ツムジのことをキョウマキと言ってました。(経巻渦を持つ尾・佐賀市松原町の松原神社) |
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螺旋(らせん)渦 |
毛の束や毛筋のある房が、螺旋状に巻いて積み上がる形を、こう名付けました。髪にも尾にも使われます。鳥栖タイプは毛筋を省略するため、螺旋渦であることが多いようです。渦のエッジがはっきりしている場合は、ドリルの刃先にも似ています。(螺旋渦のある髪・鳥栖市永吉町の永世神社) |
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ワラビ渦 |
毛の束の先端がぐるりと回っていますが巻き方がゆるく、半回転から一回転程度のものをこう名付けました。食べるとふくよかな春の香りを運んでくれるあの蕨の先端に似ています。和食で細長い食材の先端をちょっと巻いた形を蕨手と言いますので、それにあやかりました。肥前狛犬に多い形です。(ワラビ渦の髪・唐津市湊町の湊疫神宮) |
