風も無いのに戸やふすまがガタガタ音を出したり、家がギシギシ音を出すこと。おばけのようなもののしわざだとされていました。
☆ 莱莉垣桜文 附註
古い時代の物語や徳川時代の浄瑠璃などでは怪しいもの出て来る時やばけもの屋敷などで「家鳴り震動ものすごく」といった表現がよく出て来ます。近いものに「てんぐのはおと」などもあります。
並木宗助『那須与市西海硯』曰
「時しも強く吹風の。音につれたる襖戸障子ぐはたぐはたぐはた。ざはざはざはと一時に。騒ぎ出しは風にはあらず。化生屋敷と人毎に。いひしに違はず家鳴震動[やなりしんどう]心根[しんこん]に。徹する響[ひびき]は。物凄き。」
和漢百魅缶│2004.10.22
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