もうりょう 魍魎

もうりょう(魍魎)

木や石のおばけ、または水のおばけと言われていて、亡者の肝を好んで食べてしまいます。虎や、かしわの葉をこわがるので、中国ではお墓の近くに虎の飾りを建てたり、かしわの木を植えたりして、これによる被害を避けたといいます。

☆ 莱莉垣桜文 附註
『国語』曰
「木石之怪[*き]罔両 水石之怪 龍罔象」
『孔叢子』曰
「土木之怪[*き]罔両 水石之怪 龍罔象 今 山鬼一脚 即[*き] 罔両非水神也」

[*き]の箇所に入る漢字はこんな漢字です。
こちらの「き」さんは、山のおばけのことで、脚が一本だといわれています。

『淮南子』曰
「罔両 状如三歳小児 赤黒色 赤目 長耳 美髪」
『本草綱目』曰
「罔両 好食亡者肝 故駆之 其性畏虎柏 故墓上樹石虎植柏」
『増続玉篇』魍 曰
「ミツノカミ ミツチ 亡両切‐魎 水神 如三歳小児 赤黒色」
――「罔両」は「魍魎」の別の用字。
魍魎が植物では柏をおそれているのは「きてい」などの言い伝えがもとになっています。

和漢百魅缶│2006.10.05
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