そのむかし、狩りに出かけた太田道灌［おおた どうかん］の目の前にあらわれたという大きなまつたけのおばけ。 「いくら大きいといえども、怖れるに足らぬ、もしこれが逆立ちになって生えていたらばおどろいたものじゃ」と、道灌がお供に向かって澄まして言うと、その後、山道に同じ大きさのまつたけが逆立ちしてニョッキリ。しかし、道灌はあわてず騒がず、「わしがさっきそのように言ったのでこうなったまでのこと、大した不思議で無し」と、おっしゃりましたとか。

和漢百魅缶│2006.11.24
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