ひとびとのあいだに麻疹[はしか]を運んできて流行させてまわるかみさま。
麻疹にかかる前に、お釜や神社の飼葉桶[かいばおけ]をかぶったり、「むぎどのは生まれながらにはしかしてかせたるのちは我が身なりけり」という歌と名前と年齢をタラヨウの葉っぱに書いて川に流すと、かかっても軽くて済む、といったおまじないが伝わっています。
☆ 莱莉垣桜文 附註
一竜斎芳豊の『痲疹まじないの弁』に書かれた半俗外史(仮名垣魯文)の填詞には「立春大吉鉄牛和尚宿」という字を紙に書いて家に張っておくとよい、というおまじないも記されています。お釜をかぶるというおまじないは、
ごく最近(昭和の中ごろ)まであったようです。
和漢百魅缶│2007.05.17
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