夜中、お勝手などにたちあらわれて茶碗や皿などをうち割る音を鳴り響かせるおばけ。しかし翌朝みてみると、お勝手に異常は何ひとつないそうです。
☆ 莱莉垣桜文 附註
似たものには、『前太平記』の中に「目に見へぬ者来たって唐戸障子蔀[しとみ]格子を打ち破り什物重箱共を取り出だして微塵に打ち砕きなどする程に夜明けて見れば少しも損せず本の所に在りけり」――と、鹿島三郎吉連[かしまさぶろうよしつら]の亡霊が快誉[かいよ]阿闍梨のもとに出没したときに起こした怪異のひとつにこのようなものもあったと出ています。
和漢百魅缶│2007.05.18
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