かいざかのばけもの 貝坂の化物

かいざかのばけもの(貝坂の化物)

天和のころ(1681〜1683)江戸の麹町にある貝坂というところに夜な夜な色々な姿であらわれては、ひとに猛毒をもった熱気をふきつけていたおばけ。その本体は巨大な銀の毛をもつたぬきで、鈴木多門兵衛[すずき たもんびょうえ]によって退治されました。

☆ 莱莉垣桜文 附註
鈴木多門兵衛は、鈴木主水[すずき もんど]のご先祖さまで、この化物を退治した勲功をもって綱吉公からご褒美を賜り立派な士禄も拝領しています。しかし、このたぬきの怨霊は鈴木家にしつこく取り憑き、これが鈴木主水の心中につながる…というのが講談などでとられている「鈴木主水」の話の発端です。

和漢百魅缶│2007.06.12
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