くわとりだにのけだもの 桑取谷の猛獣

くわとりだにのけだもの(桑取谷の猛獣)

越後長岡の桑取谷の地に、天和のころ出たという猛獣で田畑をあらしたり、人をおそったりしていました。赤い色にものすごい反応を示したと言われていて、赤い着物や紅の手ぬぐい等を持っている人をみると眼にも留まらぬ速さでとびかかってきたといいます。大嶋流の槍術使い遠城治左衛門[えんじょうじざえもん]によって、みごと退治されました。

☆ 莱莉垣桜文 附註
この桑取谷の獣のはなしは『敵討崇禅寺馬場』[かたきうちそうぜんじばば]の語り始めに出て来るもので、実録本では「異形の獣」講釈などでは「狒々」あるいは「大ましら」等と表現されています。

和漢百魅缶│2007.11.15
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