そのむかし、孫必振[そんひっしん]というひとが渡し舟にのって河をわたろうとしていましたが必振が乗ったとたんに舟が不思議と動かなくなります。
必振はじめ同舟している人たちが困っていると水の中からこの金甲に身をかためた不思議な人が登場。一同度肝をぬかれますが、その手に持っている金牌に「孫必振」という名前が書いてあるのをみて「この名前のものがいるから舟が進まんのじゃ、降りろ降りろ」と、ひと騒動。仕方なく必振が降りると舟は動き出しましたが、しばらくたって、必振がうしろを振り返ると河の真ン中あたりで舟はブクブク浪の下。
どうやら、舟の上での危難から身を護ってくれるお方のようです。
和漢百魅缶│2007.12.14
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