ちくろうがん(竹篭岩)

朝鮮の鏡城郡長淵湖にある頭にかごをのせた人のような形をした岩。
むかし、あたりに住んでいた大長者の家に旅の坊さまが托鉢[たくはつ]に来たところ、けちんぼうな屋敷の者は何も与えずにこれを追いかえしましたが、長者の嫁だけが家人にはナイショでこっそりと食べ物をほどこしてあげました。すると坊さまは嫁だけにこの付近が大水没する事を教え、逃げるようにすすめます。嫁が逃げ出すとあたりは大浪津波で物凄いありさま。坊さまに「決して、うしろを振り向いてはいかん」と注意されていたものの、屋敷の様子が気にかかり、一瞬うしろを振り返ってしまった嫁は持っていた竹のかごと一緒に、そのまま岩になってしまったと言います。

和漢百魅缶│2009.12.28
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