ふじわらのただぶみ 藤原忠文

ふじわらのただぶみ(藤原忠文)

藤原忠文[ふじわらのただぶみ]の霊で、疫病を起こしてひとびとから恐れられたといいます。宇治の離宮明神にまつらていて、俗に宇治の「はしひめ」と夫婦になったとも言われています。

☆ 莱莉垣桜文 附註
藤原忠文(873-947)藤原氏の公家。征夷大将軍。悪霊になったという話は『前太平記』にあるもので没年などから考えてもホントに真っ赤な講釈種。

一勇斎国芳『名誉三十六合戦』曰
「参議右衛門督征夷大将軍にて承平年中将門謀反の時勅命によって討手に向ふ途中にて将門亡び止事を得ず引かへす以前天慶の頃純友謀反の討手の時と此度といひ両度の討手にさしたる功なきによって恩賞なかりしは小野宮実頼公の業[わざ]なりとこれを深く怒り食を断て餓死す其霊さまざま宮中に祟[たたり]す依て宇治明神と祭るといふ」

和漢百魅缶│2010.05.26
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