江州の船上村から伊勢へ伊勢講のおかねを収めに行く途中、勢州明星の宿の煮売り屋で便所に行ってる間、そのおかねを店のあるじに盗まれてしまい、ついには死んでしまった勘四郎という男の墓から、湧き出したというものすごい量のほたる。盗んだおかねで立派な小店をかまえていたモト煮売り屋のあるじを夜ごとにとりまき、ついには蚊帳を喰い破って悩まし殺してしまったといいます。
☆ 莱莉垣桜文 附註
「お伊勢さまに納めるおかねであるから、便所に持っていくのはおそれおおい」と考えた勘四郎が、風呂敷づつみにしっかり包んだだけで小用に立ってしまったのが、あるじの悪心をきざしてしまったはじまり。
和漢百魅缶│2010.09.04
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