あつたのしらさぎ 熱田の白鷺

あつたのしらさぎ(熱田の白鷺)

今川との合戦にのぞむ織田の軍勢が、尾州の熱田神宮で戦勝祈願をしたときに、社殿の中から轡[くつわ]の鳴る音とともに東の空へ飛んでいったという2羽のふしぎなしらさぎ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
『真書太閤記』曰
「織田殿されば我に続けや人々とのたまひながら馬を早めたまふ所に白鷺二羽はたたきして社頭より飛出で旗の先にたち東をさして翔けりゆく藤吉[とうきち]急度[きっと]見送りて当社の明神白鳥[しらとり]となりたまひしとは正しく縁起にあらはれたり然ればかの白鷺に明神のらせたまひけんふしぎなりける瑞相なりやと兜を脱ぎて再拝すればこれを見し諸軍勢ますます末頼もしくおもひついさみすすみけり」
▼藤吉…藤吉郎。

和漢百魅缶│2010.09.18
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