きりしたんのゆうれい(吉利支丹の幽霊)

勢州の乙部[おとべ]で処刑されたキリシタンの骨を拾いに来たというふしぎな女。下女にふくろを持たせて被布[かづき]を被った美しい女性の姿をしていたそうで、火刑にされたキリシタンの骨を拾うと、消えうせたんだトカ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
『諸国百物語』曰
「かの吉利支丹をやきたる穴のほとりへゆきてひたと骨をひろひゐたるが又つれの女ばういづくともなく二三人いでておなじごとくにほねをひろいけるがしばらく有りてみなきへうせけると也」

和漢百魅缶│2010.12.22
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