総州の臼井に住んでいた平六左衛門というひとの父親の両肩に生えていたというふしぎなはれもの。左を向くと右のはれものから、右を向けば左のはれものから「こち向けこち向け」と常に声をかけ続け来たといいます。たがいを憎しみあって亡くなった平六左衛門の妻と妾[めかけ]の嫉妬の霊が凝り固まってこれになったんだそうな。
☆ 莱莉垣桜文 附註
『諸国百物語』にある話ですが、結局のところ平六左衛門の父親はなんという名前なのかが本文に出てきません。
和漢百魅缶│2011.02.04
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