くらがりとうげのひのたま 暗峠の火の玉

くらがりとうげのひのたま(暗峠の火の玉)

和州と河州の間にある暗[くらやみ]峠に出たという怪火で、ひとつのまるい火の玉がふたつやみっつに分れてぶつかりあったりしながら飛び回るというもの。
むかし、この地にひとりの美女を争っていたふたりの男がいて、その争いに心を傷めた美女は淵に身をドブン、ふたりの男もこれを悲しみ、お互いを刺し違えて果てたところ、それらの霊がこの火の玉になったんだソウナ。

和漢百魅缶│2011.02.08
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