みかんくねんぼ 蜜柑九年母

みかんくねんぼ(蜜柑九年母)

羽勘[うかん]三国それぞれの下州[かしゅう]に出るというもので、あっちこっちに飛び上がって、流れ星のように白い尾っぽをうしろに引いて飛び散りまわるんだトカ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
朋誠堂喜三二の『羽勘三台図会』(1791)に出て来るもので、芝居小屋でお芝居を観るときに芝居茶屋から出される水菓子だった「くねんぼ」や「みかん」のたべかすの飛び散り具合を怪異な流れ星にデザインしたものです。
「羽勘三国」というのは、前勘国(中村座)市羽国(市村座)後勘国(森田座)のことで、「下州」は客席のことを示したもの。

和漢百魅缶│2011.03.29
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