しまむらなにがしのつま 嶋村何某の妻

しまむらなにがしのつま(嶋村何某の妻)

むかし、嶋村という長者の一家が奈良へ遊びに行っていろいろと物見遊山をしていたところ、あるきれいな池のほとりで嶋村の妻が急に「かかる所ありつるを知らざりけること本意なけれ」とニコニコ微笑みだしたかと思うと、そのまま池の水面をちゃぷちゃぷと歩いて行って、池の真ん中にたどりつくと、そのまま消えてしまった、というふしぎなもの。

☆ 莱莉垣桜文 附註
嶋村の妻が、池の主の化身だったとか竜宮のひとだったとかいう点は特に記されていないため、何でこんな事態になったのかが謎なおはなし。

和漢百魅缶│2011.08.14
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