かいふん 海粉

かいふん(海粉)

海でとれるというふしぎなもので、薬などに使われてたもの。海にすんでる亀のなかまたちがなにかのひょうしに甲羅を押されて、ゲッと出しちゃった腸がこれになる、と言われていました。

☆ 莱莉垣桜文 附註
『五雑組』曰
「亀[元+黽]之属腹中腸胃也 以巨石圧其背則従口中吐粉 吐尽而斃 名曰海粉 持斎者常誤食之」
貝原益軒『大和本草』曰
「長崎ニ自外国来ル海苔ノ類ナリ乾堅クシテ来ル糸条ノ如シ色緑ナリ熱湯ニ浸セバ色淡シ食之味美 医書ニ所謂海粉ハ別物ナリ」

現在、この海粉は海兎(ウミウシ)の仲間たちのたまごの事だと言われています。『大和本草』にある糸条の形というのはそのあたりを香らせているようです。

和漢百魅缶│2011.09.29
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