むかし、ある男が借金のかたに取った田んぼで草取りをしてると、うっかり鎌[かま]でへびの首を切ってしまった。あたりを探しても頭がみつからなかったが、家に帰って水をのもうと水甕[みずがめ]をのぞきと、そこにへびの頭が。男はおどろいて、それを潰して殺してしまいますが、その後もたびたび怪しいへびが田んぼに出て、ついに男はその土地を手放してしまったんだトカ。
へびは、田んぼを取られてしまった家の者の恨みが化したものだと言われたソウナ。信州に伝わるものです。
和漢百魅缶│2012.06.27
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