むかし、肥後の八幡村にあったある池の水をほして、魚をたくさんとろうと人々が作業をしてたところ、いつまでたっても水がなくならない。ふしぎに思いつつもやっと水位がさがって来たので「もうひとがんばり」と水をかきだしていたら、誰だか知らないひとが水の中から顔をだして「いやいや、みなさま御辛労さま」とおじぎをしてパッと消えた。「なんだいまのは」とみんなが顔を見合わせてると池の水ははじめの量に戻っていて、たまげたというもの。
それ以後は、だれもここの魚をとろうとはしなくなったソウナ。
和漢百魅缶│2012.07.26
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