海に出るといわれてたもので、船を走らせていると大きなあやしい舟が横にやって来て、船をひっくり返して沈めてしまうんだトカ。これに対処するために、船乗りたちは摶飯(おむすび)を港を出る前に持っておいて、それを投げてあげて、これを追い払ってたと言います。
この覆舟鬼たちの乗ってる舟は、影が出来ないので、そこで普通の舟と見分けるんだソウナ。
☆ 莱莉垣桜文 附註
『夷堅志』曰
「二更時有大舟峨然来 欲相並 亟擲飯与之且唾且罵 彼人争奪而食 頃刻舟益多 或出或没 擲飯如前時 約四更始去 老者曰 是皆覆舟鬼也 視舟行月中無影 若無以其饑 害吾人必矣」
日本の「ふなゆうれい」などに近いものですが、ごはんをあげるといなくなるという点は、江ノ島あたりの「うみぼうず」にもある対処法で、その関連性が気になるところです。
和漢百魅缶│2012.07.29
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