どっこいどっこい

どっこいどっこい

石州富山村につたわるもので、年をへたねこの化けたもの。ある魚屋さんが夜道を歩いてると、向かいから「んーどっこい、んーどっこい」という声をあげてる何かがノシノシ歩いて来たので、こいつは噂にきく「ばけねこ」じゃろうと持ってた庖丁でズバッ。「ギー」とひと声、そのノシノシ歩いて来たものは消えてしまいました。

次の日、魚屋さんがお得意をまわってると「うちのばあちゃんが昨日のよる便所に立ってけがをした」と話す家があったので、これは怪しいと家にあがり、そのばあちゃんを刺したところ、次の日の朝に、大きな猫の正体を現したといいます。

☆ 莱莉垣桜文 附註
「かじがばば」や「しょうぶがさこのばばあ」などと同じ趣向の昔話の一ッです。本物のおばあちゃんは猫に食べられていて納屋の下。

和漢百魅缶│2012.10.06
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