川に住むうなぎのおばけ。にんげんの姿になって、うなぎをむやみやたらに捕る人間や流れを汚す人間などの前に現われたりします。
☆ 莱莉垣桜文 附註
「うなぎぼうず」や「いわなぼうず」などと同様の型のもの。むかし、江戸の小石川に住んでいたうなぎを巣穴から抜きとるのが得意でいつもたくさんのうなぎを獲ってた料理屋の店主のもとに、ある日はじめてやって来たお客が「ただ巣穴で暮らしてるだけの魚を穴釣りなどまでして獲りなさるのはおよしなされ」と話しかけて来たのですが、店主はそんな意見は右耳から左耳。次の日、またうなぎを獲りに行くとものすごい巨大なうなぎがとれたのですが、裂いてみると腹の中から、昨日お客がたべたのとおなじご飯が出て来てびっくりした、というはなしが、『耳嚢』などにあります。
和漢百魅缶│2012.12.01
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