こんぴらさまのさかな 金比羅様の魚

こんぴらさまのさかな(金比羅様の魚)

こんぴら様のおつかいだという大きな魚。

むかし、欲深い婆さんと心やさしい婆さんが船でこんぴら様へお参りにゆく一行に加わって旅をしたとき、船が突然海の上で全く進まなくなってしまいました。この魚が船を押さえてたのが原因で、船頭が「この船の中に心の汚いおひとがおるからだ」と客の荷物を投げさせると、欲深い婆さんのお金が山ほど入った胴巻をパクリと食べて魚はどこかに泳いでいきました。

お参りから帰ってからしばらくして、心やさしい婆さんが外で魚の料理をご馳走になると、その魚がお参りのときに来てたこの魚で、婆さんの皿に乗った魚の腹から出てきたお金を貧しいひとたちに恵んで歩いたトサ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
船が魚によってあとにもさきにも動けなくなるのは、「ふか」などに魅入られる話とおなじ展開のもの。

和漢百魅缶│2013.07.27
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