鯉[こい]が人間の姿になって恩返しのために女房になってたというもの。
むかし、病気の母親が「鯉がたべたい」と言って苦しんでたので、何とか魚屋から鯉をわけてもらったものの、家に帰る途中で鯉が死にそうにぴくぴく動いてるのを見て池に放してやった男のもとに見知らぬ旅の女がやって来て女房になりました。その女房はとても煮物が得意でしたが、ある日、男が煮物を作ってる様子をこっそり見てみると女房が煮物の鍋におしっこをしてたのでびっくり。見られたことを察した女房は恩返しのために人間に変じてたことと、自分の体の油を鍋に出しておいしくしてたことを明かし、池に帰っていってしまいましたソウナ。
☆ 莱莉垣桜文 附註
加州などにつたわってるものです。
和漢百魅缶│2013.07.27
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