背中の半分が焼けこげてるようなふしぎなあゆ。
むかし、各地をめぐり歩いてた最明寺入道が和州宇陀郡の三本松という場所で病気にかかって倒れてしまったとき、土地のひとびとがあゆを焼いてそれを鎌倉の滝に「旅のおぼうさんの体がよくなってください、よくなるならばこの魚は生き返って泳いでください」と念じて投げ込んだところ、この焼きあゆは元気はつらつ生き返って泳ぎだし、最明寺入道も同時に快復したんだソウナ。
☆ 莱莉垣桜文 附註
半身や焼魚を水に入れてそのあとそれが生き返って泳ぎだしたという話の一ッ。最明寺入道は北条時頼のこと。
和漢百魅缶│2013.08.15
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