うみのかんのんさま 海の観音様

うみのかんのんさま(海の観音様)

陸奥二戸につたわるもの。むかし、父と母を病で亡くした漁師の男の子と女の子が泣いていると「おれは海の観音様だ、ふたおや死んでしまって乳ものまれず困ってるべや」と言って海から出現。目の玉を一ッ渡し乳のかわりになめろと教えてくれたといいます。

その目の玉を盗まれてしまって子供たちがまた泣いてると、再び海から現われ、もうひとつの目の玉も渡してくれました。

☆ 莱莉垣桜文 附註
正体が蛇と露見した女房が姿を消したあと、子供のために目の玉を乳がわりに与える話の型とおなじもの。子供たちは、海の観音様の願い(目がなくなってしまったので、鐘をついて夜昼を教えてほしい)をかなえるため、各地で銭をもらって海辺に鐘を建てます。

和漢百魅缶│2013.08.28
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