むかし上総のある寺の裏山に生えてたというふしぎなきのこ。ぴかぴかと夜のやみの中でもひかってたといいます。
死んだ大蛇からしたたりおちた体液などから生じてたそうで、みんな食べることはなかったといいます。
☆ 莱莉垣桜文 附註
津村淙庵『譚海』曰
「ひかるきの子には必[かならず]毒あり かまへて食すべからずと制して棄てさせける 翌日又同じ所にかたの如くのきの子生じありしかば いよいよ怪[あやし]みて心を付てせんさくせしに 其側の枝に大なるくちなは死して枝にかかり有 さては此死したる蛇したたりより生じけるこそ かしこく食さざりける 食しなばいかなる禍にかかるべきもしらずと皆々恐れあひしとぞ」
死んだ蛇の体液からきのこが生えるという「蛇菌」なはなしのひとつであると見えます。
和漢百魅缶│2013.09.02
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