肥前の杵島郡につたわるもの。むかし、ある村で年の瀬におもち搗きをしようとしたのですが、その年は悪い風邪がはやっててほとんどの若者が動けず、おもちの搗き手がいなくて大困り。しかし、 見知らぬ若者が現われて全てのおもちを搗いてしまいました。
おもちを搗いたあと、その若者は「疲れた」と言って近くのお堂で居眠りをしてたのですが、村人たちがお礼をしようとそこをおとずれてみると、大きな大蛇のうろこが1枚落ちてただけで、あの若者はその村の近くの川の堤[つつみ]にまつられてるぬしの大蛇だったのだと知れたソウナ。
和漢百魅缶│2013.11.05
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