肥前の藤津郡油津につたわるもの。むかし姑から命じられたおつかいの帰りに転んで油徳利を割ってしまい、それを悔いて橋から身を投げてしまったお嫁さんの亡霊。橋をとおりかかるひとに向かって何かものを渡してこようといったそぶりで姿を見せて恐ろしがられてました。
あるとき、大坪羽左衛門というひとがこれに出遭い、渡そうとしてるものをおじずに受け取ったところ、小さい徳利で、それ以後この幽霊は出なくなったソウナ。
この川はこのはなしから「嫁川」という名がついたと言われてます。
和漢百魅缶│2013.11.06
Design. Koorintei Hyousen 2013