うめきごえ 呻き声

うめきごえ(呻き声)

文政2年(1819)備後深津郡引野村の仲介[なかすけ]というお百姓さんの家に出たふしぎなもの。夜になると庭にある古いえのきの木の根元あたりから人がうめく声がうーうー聞こえてきて、特に仲介の家から2、3町離れたところではそれがものすごく響いて聴こえたんだトカ。

3月に鳴りはじめて以来、夜明けまで聴こえる日もあれば、一回も声の響かない日もあったそうですが、20日くらいつづいて、その後ピタリと鳴らなくなり、なにごとが起こることも無かったといいます。

☆ 莱莉垣桜文 附註
えのきの木の根元から聴こえたそうですが、この木が原因だったのかどうとかいう結末ではないので、どうも正体は不明。昼間は一切聴こえなかったそうです。

和漢百魅缶│2014.01.16
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