三州の豊根村などにつたわるもので、蜘蛛[くも]が人間に化けてやって来たもの。
ある家に「働かせてくれ」とやって来て、何年か働いた後、「給金はいりません、お屋敷でいちばん大きな竹かごを下さい」と言ってそれに旦那を詰め込んでさらってしまいました。旦那は途中で大きな枝につかまって竹かごから脱出して助かり、後で家に再度やって来た蜘蛛を殺して難を逃れました。
☆ 莱莉垣桜文 附註
「家に入ってきた夜蜘蛛は親に似てても殺せ」という俗信の解説につかわれてる昔話です。「ゆきんば」や
「くもにょうぼう」など、ごはんを食べないお嫁のはなしと構成は似ているもの。
和漢百魅缶│2014.03.20
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