おおみねのいそう 大峰の異僧

おおみねのいそう(大峰の異僧)

作州勝田郡の会蔵坊[かいぞうぼう]という行者が、大峰に行ったときに出遭ったというよくわからないふしぎな僧侶。はなしをしてるうち、会蔵坊が「拙僧の国では今頃もう茄子[なす]が実を結んでる」と語ると「そんなことは無かろう、こんなに早くからは茄子は実らぬ」と異僧が返答。「いや、まことじゃ。近くであるなら今でも下山して見せてやるわ」と会蔵坊が言うと、異僧はたちまちのうちに物凄い忿怒の形相になったといいます。

怖くなった会蔵坊がすぐに国に帰ると、茄子畑は荒れ果てており、会蔵坊の娘はずたずたに裂かれてその畑のわきに転がってたんだトカ。

和漢百魅缶│2014.05.06
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