俺の想い出格納庫


最終更新日:2003.12.23

大人になんか、なりたくない!
お触り男
 
 
 
 学生時代、我が研究室(通称:Y組)に居た大学職員、Hさん。

 個性的・珍妙な言動で、常に我々を笑いの渦に巻き込んでくれた、愛すべきオッサンである。



 Y組構成員であるI田・O泉・M志・C葉・Y山の5人が、俺(-_-)y-~を残して卒業する少し前のある日、Hさんに「卒業祝い」と称して飲みに連れて行かれた事がある。


 その店の名は、「ナイト・イン・○○ー○」。見るからに胡散臭い名前である。



 「卒業祝い」であるが故に、留年が決定してた俺(-_-)y-~は当然招待されなかったので、聞いたハナシだけを掻い摘んで書いてみる。

 店内には一応若い女の子も居るが、ママは「菊(肛門)」のハナシが大好きなオバチャン。I田達に後付けされたあだ名が「菊ババァ」。御世辞にも「御洒落」「御上品」とは言えない雰囲気のようである。


 で、そんな品性御下劣な菊ババァを余所に、若い女の子のフトモモをお触りしまくってたのが、我らが愛すべきオッサン・Hさんであった。




 決して楽しい飲み会とは思えないのだが、参加した5人は、言葉を変えて口々に俺(-_-)y-~を羨ましがらせてくれた。


 そんなハナシを聞いてるウチに、「ナイト・イン・○○ー○」という胡散臭い店名だけが何故か頭から離れなくなってしまった俺(-_-)y-~。






 そして約一年の時を経て、いよいよ俺(-_-)y-~も一年遅れの卒業が間近に迫ってきた。


 あの日からずぅーっと心の中で暖め続けてきた「ナイト・イン・○○ー○」の店名。最後の一年を共に過ごした次世代Y組構成員であるU木、N田達と共謀して、Hさんに詰め寄った。


「Hさん!ナイト・イン・○○ー○に連れてって下さい!」


 U木もN田も、俺(-_-)y-~の「ナイト・イン・○○ー○とHさん」に関するバカ話を聞いて大変共感したらしく、「是非行きたい」と言ってたので、誘いの言葉にも力が入ってた。




 最初は嫌がってたHさんだが、我々の熱意に負けたのか、最後は承諾してくれた。





 そしてついに当日。夢にまで見た

  ・ナイト・イン・○○ー○
  ・菊ババァ
  ・お触りHさん

が、もうすぐ現実のモノとなる!!!!








 しかし、過剰な期待を寄せ過ぎた所為か、単にハシャギ過ぎた所為か、気が付けば菊ババァの菊漫談も聞けぬまま、お開きの時間になってしまった。


 期待外れの虚しさを胸に帰りのタクシーを待ってた時、U木がとんでもない事を言い出した。












「Hさんにフトモモ触られた!」






「何だって??」

 事態を良く飲み込めなかった俺(-_-)y-~は、U木に訊き返した。



「最初は女の子のフトモモ触ってたのに、
 酔っぱらってワケ解らなくなってきて、
 最後は俺のフトモモ触ってた!!





 …思い返してみると、確かにU木はHさんの隣に座ってた。そして、店内は非常に暗く、脚だけ見たら誰が誰だかサッパリ解らなかった。

 そして、俺(-_-)y-~の気付かない所でHさんはお触りを実行してた。若い女の子のフトモモだと思ってたら、実はU木のフトモモだったのだ……。




「いやー、なまらしまった!(※)
 Hさんの隣なんか、座らなきゃよかった!」


 尚も愚痴り続けるU木。俺(-_-)y-~はU木に同情しつつ、大笑いしながらタクシーへと乗り込んだのであった。

(※)「なまらしまった」:U木の口癖で、北海道弁の「なまら」(意:「非常に」「ものすごく」)プラス標準語の「しまった」(やっちまった)で構成される造語。

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