トップエーイとの対話

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必要な記憶

どんは、どこか静かなところで休みたいと思い、
彼女に、その場所に連れて行ってくれるように頼みます。

ここからは、どんの指示が少し変わってきました。

それまでは、彼女の内側についてのことが中心でしたが、
今度は、自分の表の感覚、特に目に映るものからでも
適切な想いが持てるような練習になってきたようでした。

しかし、我々には、そのことにはまだ気がつきません。

「何処かで休みたい」 という、どんの気持ちに応えるために、
彼女は歩きながら、あたりを見回し、あれこれ考えているようです。
しかし、彼女は適当な場所を見つけることが出来ないでいます。

芝生の綺麗な、広い公園のようなところがありましたが、
そこは立ち入り禁止で柵がしてあって入れません。
現実の目で確かめ、そこで判断する練習の、その最初の課題でした。

どんは、彼女から少し離れて…

「これは、ヒント!」

と言って、何かの案内板の横に立ちます。
彼女は何のことか分からず呆然としていました。

どんは、感じるままに言葉を発して、
感じるままに動いただけでした。

「はい! 感じるままに動いて!」

彼女は、何が何だか分からないままに、その案内板に近づきます。
そこで、彼女の表で気がついたことは、
「何処か分からないが、喫茶店のようなところがいいのでは…」
ということのようでした。

このときの 「どん」 は、彼女の自主性に任せるように、
自分の内か、彼女の内から指示されていたようです。

それまでの彼女は、公園のような場所を探す方向だけに
表面意識が向いていました。

彼女は、先に歩き始めます。

これから行くところは、彼女の、かつての恋人と行った所でした。
彼女がそれを口にすると、それに関連することが、
どんの内も、すぐに伝わって来るようです。
しかし、「伝わって来た」 という感覚はありません。

途中、どんの足が止まります。

どういうわけか、気持ちが悪くなってきてしまいました。
上を見上げて、歩道の端のフェンスにもたれかかり
溜息をつきました。

そこは、道路の真上に、道路と直角に鉄道が横切っていて、
我々は、その鉄道の橋の真下にいました。

「うーん…」
「これは…」

…と言って、そこから離れ、再び歩き始めます。

その場所については、その帰り道で説明されることに
なっていました。
しかしそれは、2人にはまだ何も分かりません。
内同士だけが知っていたようです。

目的の建物の前に来ました。

その建物の前の広場で、どんは奇妙なことを始めました。

どんは、彼女から10mくらい離れて立ちます。
彼女に目を閉じさせ、今、どんの腕がどういう
ポーズをとっているかを質問します。

「えーっ! そんなーっ! わかりませーん!」

「いや! あなたは分かっている! 分かろうとしないだけだ!」
「頭で考えない! 感じるままに腕を動かしてみて!」

またもや、何かをやらされそうです。(苦笑)

彼女は、両腕を上げて手を開きました。

「こうですか?」

このポーズは間違っていました。
彼女の内から伝わって来るままに、
次のような内容の話をしました。

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

彼女は アメリカに行き、子供の精神教育で有名な
「シュタイナーの思想」 の学校で勉強したのだが、
そのときの記憶が出て来ている。

そういう押し付けられた、実体験の無い知識ではなく、
自分の感じるものだけで、感じたように動くことが大切。

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

彼女には、こちらのポーズがうまく感じ取れないようです。
彼女の左手は帽子を掴んでいるため、
それが障害になっていたかも知れません。

「じゃあ…、帽子の左腕は下ろして、右腕だけでやってみて!」
「ゆっくり動かし…、自然に止まるところで止めてみて!」
「そうそう、素直に…」

彼女の右腕は、体の前に直角に出ていて
手は握られています。

「はい! 目を開けて!」

彼女は、どんのポーズと、ほぼ同じであることを確認しました。

ちょっと違うところは、腕が体から少し離れていることと、
握りこぶしが少し甘いところです。
ちょっと自信のなさそうな ポーズでした。(笑)

どんは、この間、握った手の中で、
手の平を指でこすり続けていました。

後で気がついたのですが、
「握りこぶし」 を、彼女に意識させるために、
そうさせられていたようです。(苦笑)

この奇妙な行動は…

「相手の肉体の様子を、目ではなく、内で感じ取るための
練習だったようだ…」

ということが、この原稿を書いていて気がつきました。

シュタイナーの学校に行って勉強してきたことは
彼女から、その少し前に聞いていましたが、
その学校での勉強内容は、まだ聞いてはいませんでした。

また、シュタイナーについては、ほんの少しですが、
どんにも知識がありましたから、ここでの説明は、
その知識からのものも含まれていたように思います。

我々は建物に近づきます。

建物の入口の回転式のドアを彼女は開けようとしますが、
開きません。内側から鍵がかかっていたからです。
彼女は周りを見て、すぐ近くにある自動ドアに前に進み、
ドアは自動的に開かれ、我々は中に入りました。

2人が中に入った直後、どんが言います。

「今、あのドアは開かなかったね…
もし、あなたが幼児だったら、その時、何て言う?」

「えー…、分かりません…」

「いや、分かっている…。
はい! 何て言う? 感じたまま口に出して!」

彼女は目を開けたまま、数秒後に、

「助けて…」

「そう!!」

どういうわけか、どんは涙が出そうになりました。
しかし、その訳はすぐに分かりました。
自分がこう言ったからです。

「あなたが小さい時から父親に冷たくされてきていて、
そういう、自分のような可愛そうな子供を助けたいと
思っていたために、その言葉が出てきた…」

彼女は黙っていました。

「そのために、シュタイナーの学校へ行ったんだよね!」

「………」

彼女の表では気がつかなくても、
内からは常に、必要な記憶を表に送っているようでした。

ホールを通り過ぎ、展示物がある幅の広い通路を抜け、
次のホールの入口まで来ました。

すると、どんは先に行って、そのドアを開けて中に入り、
振り向いて、そして彼女に向かって、こう言います。

「これは、もう別れた最初の彼が…、とった行動だったよね!」

彼女の表では覚えていませんでした。
しかしそれは、彼女の内からのものを、
どんが表現しただけです。

「あの時、彼は先に行ってしまった。
いつもなら、私を先に入れてくれるか、
2人一緒に入っていたのに…」

「そう感じたんだよね!」

しかし、彼女は返事をしません。

これは、彼女があまりにも強く自分を守っていて、
彼女は、その記憶を否定していたためのようです。
この後、そのことが明確になってきます。

これは、男としての父親像と密接な関係が
あったのですが、彼女の表では、
まだ、それには気づいていないようでした。

彼女の反応がないまま、中に入ります。

そこは、かなり広いところで、正面には案内板がありました。
どんは、その前に立ちます。
彼女はホールの中心に立って、こちらを向いています。
その距離は 5,6mくらいです。

これは、「あの時」 のことを再現して見せるためでした。
この2人の位置関係は、その時の、彼女と彼の位置でした。

どんは、彼の役を演じます。
彼女に対して正面を向かずに、少し斜めになって彼女を見ました。
顔を正面に向けられないような後ろめたさがあったからでした。

「あの時の、彼の位置はこうなっていたんだが…
そのとき、彼があなたに向かって言った言葉は?」

しかし、彼女は、いくら考えても出てきませんでした。

実は、その言葉は肉体の声ではなかったのです。
これは、どんも気が付きませんでした。(苦笑)
彼は、口には出さずに 「嫌いだ!」 と言ったのでした。

彼女は、その時、彼が別れ話をしようとしていることには、
気がついていたそうです。
彼の 「言葉無き言葉」 は、彼女に確実に伝わっていたようです。

彼女の 「男」 の印象は、いつも対立してきた父親にありました。
そのため、その「男」の不足分を彼に求めていたようでした。

過去世の記憶は、彼女にとっては、ある程度必要だったようです。
それは、特に自分の家庭での問題を解決するためでした。

現世でも、今必要なものは、過去からの記憶が自然に
使われているように、記憶は、その時の状況によって
自然のうちに、最も適当なものが現れるような仕組みに
なっているようです。

その記憶は、現世を超えて、過去世からも呼び戻されるようです。
記憶は、それに必要なものが、本人自身だけでなく、
その人の行動範囲の人間関係によっても集められるようです。

それは、俗に言う 「縁」 というものなんですね。
どんも彼女も、そういう 「縁という糸」 を、
お互いに手繰り寄せていたようです。

我々は、さらに奥に進んで歩きます。

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前回も話しましたが…

どんは、変わり者ですが、霊能者ではありませんから、
こういう行動をする自分に、まだ疑問を抱いています。

ただ…

物心ついた頃から、いつも思っていたことがありました。
それは、「いつも正しい自分」 でした。(苦笑)

もちろん、実態は、かなり違っていました。
これは、今でもそうです。(大笑)

それと…

「いつも誰かと話している」 という子供でした。
「誰…」 ではなく、それは「自分」だと思っていました。
つまり、「いつも自分と話している」 という感じでいたわけです。

でも、霊的な現象が現れるようになってから、
そこで、やっと気がつきました。

「どうも、それは…、自分ではないかも知れない…」

しかし、自分もいることは確かですから、
内にいるのは、「自分と他人?」
ということになるかも知れません。(苦笑)

このことについてはHPに書きました。
興味のある方は、覗いてみてください。
去年のままで、ほとんど更新していませんので、
一度でも見た方は必要ないと思います。

「霊歌どん・異言で語り、歌います」
http://www.janis.or.jp/users/don/
習いもしない外国語が、自然に出てきます。

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(続きます)


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