トップレイとの対話

20 エーイとの対話・あらすじ
21 女海賊 エーイ22 車椅子
23 過去世24 思い出25 単純な仕組26 …その後…


22 車椅子

何故、この日に、こういう行動になってしまったのか?
我々が、こうして 「運命の再会」をしたことについて
それに関連したことを書きます。

これは、彼女の内から伝わってきたものを
簡略し、整理したものです。

その日は、我々にとっての、その時代での終わりの日、
つまり命日であって、これは計画されたことであり、
彼女との出会いは決して偶然ではなく、
車椅子も、そのために用意された。
どんちゃんが車で東京まで来ることも決められていた。

彼女を襲った彼も、今夜、現われることになっているが
どういう形で現われるかは分からない。

これから先に、
当時の仲間や関係者が現われてくるが、中には偽者もいる。
しかし、接触する全ての人達は、過去の因縁を清算するための
再会であるから、それは素直に受け止めること。

その時代での我々仲間は、肉体を離れ霊界で再び集結した。
後になって、我々を殺した彼等もやって来て、彼等とも和解した。

そして、我々も彼等の多くも、次の転生である今回の地上へ
再び出て来た。過去の不調和な出来事での想いを解消し
より深くお互いを理解し、成長することを目的としている。

肉体を持った状態でないと完全な清算は出来ない。
また、その清算は、地上ではどのように行われるかは
地上に出てからでは、まず気がつくことはなく、
通常は、結果をもってしか、それを知ることは出来ない。

例えば、こうしたような、考えられないような形で
どん と彼女が接したが、他の人達とも同様では、
どんな形をとるかは全く分からない。

ただ、言えることは、この地上で何らかの縁があった人には
必ず深い意味があるから、それを大事にして自然に接することで
カルマは清算されていくから、神経質になることはない。
普通の生活をおくっていれば何の問題もない。

だいたい、このような内容でした。

車は再び走り出します。初めての場所で、しかも夜ですから
何処に何があるのか、よく分からないまま走っていました。(笑)
しかし、それが分かったとしても、この場合は意味が無いでしょうね。(笑)

しかも、これから向かう目的地は何処なのか…
どうやって、そこまで辿り着くのか…
当然ですが、どんちゃんには見当もつきません。(笑)

しかし、知りつくした町を走るかのように
自信をもって堂々と車を操っていました。
どんに操られて、どんちゃんが車の運転をしていたわけです。(笑)

彼女の手に触れています。そうしていれば
そこから伝わってくるものに、こちらの体が反応するのです。
その指示どおりに、素直に体が動いているようでした。

実は、体に触れなくても分かるんです。
しかし、触れた方が早く感じることができますから
こういう速い動きの場合は触れている方が確実なんです。

体が自然に動いて運転してしまう、というのは、
先ほど説明したことと理屈は同じです。
「どんの口から言葉が出てきて初めて分かる」 と言いました。
それと同じなんです。

つまり、口を 「動かす」のと同様、どんの体が自然に動いて
何処かに着き、そのときになってから、そこが目的地であって、
そこに行った意味は、後になってから分かってくる、ということです。

つまり、この場合は、口が動かされるように、体が
「車の操作」という 「動き」を、させられていた、ということです。

幾つかの交差点を通過し、車は走って行きます。
我々二人には、何処に行くのかは分かりません。
でも、我々は、最初の目的地点まで確実に移動していました。

そこが近づいてきました。

「もうすぐ……、はい、ここ…、ここで降りて…」

…と、どんは言ったのですが…

どんちゃんには、そこに何があるのか?
どんな理由で、そこが最初の目的地なのか?
それは、我々二人には全然わかりません。(笑)

歩道に面した、あるビルのショーウインドーの前に立ちます。
そこには 5つくらいの置物が飾ってありました。


彼女の背中を指で刺激します。
これは、より内を感じてもらうためです。

「一番右の…、そう…、これが、ここに来た理由…」


この歩道は、彼女は幾度か通ったことがありましたが、
しかし、表の目では、これを見ていないようでした。


それは、母親が幼い我が子を、輪のようになった丸く大きな両腕で
包み込むように抱いている姿でした。母親の子供への想いを、
そういう形で象徴的に表現した木製の像でした。

後で分かったのですが、これは、この後に行くことになっている、
次の目的地である、その場所での出来事のための準備でした。

彼女は突然、「背中が痛い!」 と言います。
どんが言いました。

「あなたは、別れた旦那とよく喧嘩したけれど
体力にも腕力にも自信があって負けたことはなかったね…」

「だけど、一度だけ、大泣きしたことがあった…」

彼女は、思い出そうとしています。

「それは、別れた旦那が、後ろから蹴飛ばしたときで
あなたが、しゃがんでいた時だった…」

「その時、蹴られたところが、その背中の痛いところだよ…」

彼女は、その時が、しゃがんでいたかどうか記憶がないようでした。
しかし、そのときは、何故かとても悔しくて泣いたそうです。

「その位置は、沖縄で再会した、前世の彼によって
刃物が胸を貫通し、背中に抜け出たところでもあるんだよ…」

しばらく黙っていた彼女は、左腕も痛いと言いだしました。

「その時、胸を左腕でかばい、払おうとして、腕も傷ついた…
しかし、そのおかげで心臓を外れて、死なずにすんだ…」
彼女は黙って聞いていました。

しかし、その夫の、その行為が「カギ」になって
大昔の当時の、そのことを思い出さないまでも
過去での 「その出来事」を薄っすらとでも感じたために
『悔し泣き』 をしたということは理解できたようでした。

その時代の、その事件によって、彼女の誇り高き人生は
事実上の終わりとなりました。悔しいのは当然のことでした。

我々は、再び車に乗り込み、次の地点に向かいます。
そこは、そこから割に近いところでした。
内から指示されるままに移動し、そこに着きました。

ビルとビルの間にある駐車場に車を停めます。
ここに何があるのか、何が待っているのか…
我々には、それは全く分かりません。

車から降りて、二人であたりを見回します。
しかし、特に何もありません。
あまり綺麗ではないビルの裏側しか見えません。

彼女の手に触れます。
「あっ…、こっちだ!」 と言って、どんは歩き出します。
彼女は訳が分からないまま後をついてきます。

そのビルの表に回ると、そこは工事中の 「三和銀行」でした。

「ああ、そうか…、ここで現金を下ろせばいいんだ…」
「そのために、ここに来たんだ!」 どんちゃんは、そう感じました。

ところが、現金自動支払機のそばには
現金引出しができないことが書かれた張り紙があります。

「あれっ!…?」

工事中のその銀行は、翌日の月曜日の朝の開店までに
間に合わせるためか、夜業をしている人達がいました。

どんが、「おかしいなー…、ここだと言っているのだが…」

キャッシングコーナーの外の左側に案内板があり
三和銀行からの「お知らせ」 が掲げてあります。
そこに書かれていることを、彼女が自分の感覚で受け取り
それを理解するのが、ここでの最初の課題でした。

そこに書かれていた、ある人の○○という性と
彼女の人生に深く関わりあった人達との名前。
それが、彼女の子供にも関連することが奇妙な形で
現われていました。またそれは、その前の目的地での
「木像の母子像」 とも関連したものでした。

特に、彼女にとっては、子供との関連が重要なことのようでした。
また、どんにとっても、重要な人の名前と関連していました。

しかし、どんには、彼女の人間関係についてや
それと関連する出来事については、知らされませんでした。
きっと、その必要がなかったのだと思います。

彼女は、「お知らせ」 の意味が表でも、かなり分かったようです。
その説明もしてくれました。
○○という、結婚したときの姓と、その意味です。

そして、それらにも関係している、三和銀行の 「サンワ」という
その言葉の意味が、そのとき、内から表に出ようとしていました。

我々は車に引き返します。
歩きながら、どんが急に…

「一緒に、感じるままに言うよ、はい…話して…」

…と言ってしまいました。
でも、いつものように、内から感じたままに口にしただけです。

歩きながら二人は、同じ調子で同じ言葉を同時に話していました。
それは、彼女にとっては初めての外国語(異言・いげん)でした。
それを、どんと一緒に全く同じ言葉で同時に使ったのです。
驚きました!!!

足を止め、二人はもう一度、それを言います。
それは、どんの二つ目の過去世の言葉でした。
彼女の発音は日本語風でしたが、確かに同じ言葉でした。

どんは、「………………サンワー…」と
「サンワ」 の部分を強調して言います。

その言葉を含んだ、その文句は
当時の我々の 「人生の生き方」 を短くまとめたもので
我々の仲間では、よく唱えていた決まった形のものでした。
それは組織の生き方の目標であり、
当時の我々の強い想いを表していました。

これは、現代の会社に置き換えれば、
会社の 「社訓」が壁に掲げられていて、社員が それを毎朝
唱えさせられていますが、それと似たようなものですね。(笑)

でも、大きな違いは、そういう強制的なものではなく、
それは、彼女達の本当の 「想いそのもの」 だったことです。

「サンワ」 という言葉は、「真理・神理」 という意味です。
どんも彼女も、舟の仲間達も、それをよく口に出していたのです。

我々二人は感激し、抱き合って喜びました!!
でも、相手は女性ですから、軽く遠慮しながらでしたが…(大笑)

これで、彼女との縁について、今までの「どん」の話が
全くのデタラメではなかったことが確認できたわけです。

ホッ と しましたー!!!(大笑)
彼女も、とても安心した様子でした。

彼女が、どういう訳か三和銀行が好きで、そこに口座を開き、
そこによく通っていた理由が、これでハッキリしました。
彼女も、これには十分に納得できたようでした。

彼女は、この出来事の前に、
左肩の下の鎖骨あたりが痛いと言っていました。
しかし、この意味は分かりません。
どんからも何も伝えられませんでした。

これは、たぶん、彼女の肉親との関係についてのようです。
子供のことではないかと思われます。

再び車に乗ります。

最後の目的地に近づいたようです。
ある交差点で左に曲がるためにハンドルを切り始めますが、
そこは、一方通行の出口側で、こちらからは進入禁止でした。

「あれっ!…、この奥だと言ってるんだが…、はて…?」

仕方なく、その交差点を通り過ぎて彼女の手に触れます。
しかし、何も伝わってきません。あわてました!!(笑)

「困った! どう行ったらいいか、わからーん!!」

どうやら、我々の内側と、その背景達は
「一方通行」 までは知らなかったようです。(笑)

すぐ先の大きな交差点を左折し、またすぐに左折して
目的の道路の方向に向けて車を止めます。
そこは、通ってきた大通りに平行した少し幅の狭い道でした。

日中は、60分の駐車メーターのついた道路です。
でも、もう夜の11時頃でしたから、300円の料金は
払わずに、タダで駐車できました。(笑)

ここで、車椅子を下ろします。この車は電動リフト付きですから
ボタン操作で簡単に車椅子の乗り降りができます。

参考までに…

この装置は100万円近くもするそうです。
この車は、その車椅子を譲ってくれた人から
3年ほど前に買ったものです。

彼女には車椅子に乗ってもらい、どんが それを押して
目的地に向かうようです。この近くのようでした。

讃岐会館を出発するときに
どんが言ったとおりになりました。それは…

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「これから、ある場所に行くけれど
その近くで車椅子に乗り換えて
俺が、それを押して、その地点まで行くことになる…」
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彼女に、一つのお願いをします。

「たった一つのルールがある、それを守って!…」
「それは、絶対に車椅子から降りない! …ということ…」

そう言いました。「そう言わされた」 と感じました。

車椅子を押して歩きます。
歩道から車道への登り降りは結構大変でした。

しかも、その車椅子は電動式のもので、本来は押して
歩くものではないために、普通の車椅子とは違い、
かなりの力が必要です。
それに目指す方向にもうまく進みません。
電動式ですが、バッテリー切れでモーターは動きません。

ここは、どんにも、彼女にも初めての所です。
何処かに向かって、息を切らしながら一生懸命に
車椅子を押して歩きます。でも、行先は分かりません。(笑)

何とか、最初の地点に着きました。
そこは、あるホテルの裏口でした。
そこから少し入った左側の壁には
奇妙なポスターが貼ってあります。

映画か舞台劇の広告のようです。

『気をつけなさい、この冬は…』 『ジムキャリーグリンチ』
と書いてありました。その意味は全然分かりません!

その絵は、毛深い緑色の獣のような悪魔のような手が
上から下に伸びていて、その下の方には赤い綺麗な
ガラス玉のようなものがあって、それは壊れています。
「壊された」 というような印象を与えていました。

何を意味するのかは、よく分かりません。
その手と赤い玉の間に、何かがあったのですが忘れました。
それが、「重要なもの」 だったかどうかも分かりません。

しかし、気持ちの悪い緑色の毛深い手は
当時、我々と敵対関係にあった組織の想いを表していて
一番下の壊れた赤い玉は、我々の組織のことを示しているようでした。
そのように解釈しました。それが適切なものかどうかは分かりません。
このとき、これについての明確な意味は知らされませんでした。

たぶん、当時の我々と敵対する組織との関係を表すために
ここに案内され、そのポスターを利用したものだとは思います。

しかし、我々のことが、この絵に全て表されているとは
考えない方がいいとは思いました。
このポスターは、都内のあちこちに貼ってあるようです。


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