第一章 伝説の格闘天使

「勝者!クマタニキャッスル、ダヴァ!」
この瞬間、リョーゴクサンクチュアリが大歓声に包まれた。
格闘天使にとってとてつもなく高い壁である絶対王者、大天使ドルジを彼は場外へ吹っ飛ばしてしまったからである。
彼は2年前に彗星のごとく現れた謎の格闘天使だった。
「あなたは、もしや…本当にハクホウさんでは!?」
起き上がるなりドルジはダヴァに尋ねた。ダヴァは小さく、しかししっかりと頷き、答えた。
「…いかにも…。長い間…夢を見ていたようだ…。」
ハクホウは頭上を見つめると静かに目を閉じた。
「私は…強すぎた…だから協会に…消されたのだ…。」
協会は彼自身の歴史を消し去り「伝説の格闘天使」として神格化させていたのだ。
その無限の強さゆえに…。

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