労務関連の手続きや法律の中で時々、「常時雇用する労働者○○人以下(以上)」という表現が出てくる。私はこの表現が出てきたときは、必ず常時雇用する労働者とは、どのような労働者を指しているのか調べるようにしている。なぜならば、常時雇用する労働者の範囲がその時々によって違ってくるからです。
例えば、「中小企業子育て支援助成金」という助成金があるが、この助成金の支給要件の一つに「常時雇用する労働者の数が100人以下の事業主であること」とある。この常時雇用する労働者とは、中小企業子育て支援助成金のパンフレットには、次のように書いてある。「申請事業主の企業全体で常時雇用している従業員数(2か月を超えて使用される者であり、かつ、週当たりの所定労働時間が、当該企業の通常の従業員と概ね同等である者の数)をいいます」。この文章によると、社員とほぼ同様の労働時間の人を対象ということなので、パートタイマーなどの労働時間が少ない人は数に入れないことになる。
次に育児・介護休業法が平成22年6月30日を施行日として大幅な改正が行われたが、一部の改正部分のみ、平成22年6月30日時点で常時100人以下の労働者を雇用する事業主については、平成24年6月30日までの間、一部の改正規定の適用が猶予される。
この常時100人以下の労働者とは、 改正育児・介護休業法に関するQ&Aでは、「常時」とは、常態として、という意味であり、臨時に労働者を雇い入れた場合、臨時的に欠員を生じた場合等については、労働者の数が変動したものとしては取り扱わなく、「労働者」には、日々雇用される者や期間を定めて雇用される者も含まれ、また、企業単位で人数を算定する、とある。この説明では、労働時間の長短には触れていないので、労働時間の少ないパートタイマーなども数に入れることになる。
最後に労働基準法第89条では「常時10人以上の労働者を使用する使用者は、次に揚げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない」とある。この常時10人以上とは、時として10人未満になることはあっても、常態として10人以上を意味し、労働時間の少ないパートタイマーなども数にいれることになる。尚、常時10人以上の人数は企業単位ではなく、事業場単位で算定します。
上記の常時雇用する労働者を整理すると次のようになります。
| 手続または法律 |
内容 |
常時雇用者 |
パートの算入 |
単位 |
| 中小企業子育て支援助成金 |
支給要件 |
100人以下 |
含まない |
企業 |
| 育児・介護休業法 |
改正の一部適用猶予 |
100人以下 |
含む |
企業 |
| 労働基準法 |
就業規則作成 |
10人以上 |
含む |
事業場 |
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