2月2日 Bois de Boulogne (Paris)
冷え込みが厳しく、パリの郊外の森は凍りついていると思い、ごく近場のブローニュの森へ
家族連れが大勢遊びに来ている。スケートボードを利用した犬そりで遊ぶ女の子
ブナの朽ち木から、ゴマフカミキリ(Mesosa nebulosa)。材採集で得るのは容易であるが、不思議と活動中の成虫を見たことがない
マツの倒木の樹皮を捲ると、ゴミムシダマシの一種(未同定)がいた
ナラの太い枝の朽ち木。中はパラレリだらけのようなので、割るのはやめておこう
探していたヒラタハナムグリ(Valgus hemipterus)の♀。ただし、活動中の♀は日本ほど採り難いわけではない
ブナの黒ずんだ落ち枝の朽ち木。コルリクワガタの産卵痕も脱出孔も見られない。やはりコルリは生息していないのだろう
倒木の上には、ウサギの糞が溜まっていることが多い。縄張りの印なのだろうか
普段は車が通る森の中の道も、週末は通行止めにして家族の遊びに解放されている
2月3日 Foret de Marly (20km west of Paris)
引き続き冷え込んでいるが、今日も晴れ上がった。いつもと違う森へ、コルリクワガタとオサムシ狙いで出かけてみた
このマルリの森は、ナラとクリが中心でコルリは薄く、未採集。あいにく材が凍っている中、せっかくコルリが出ても幼虫ばかり
林内にこんな苔の生えている場所が。何と、いくつか捲られた跡があった。他にオサムシ採集者でもいるのだろうか
未だ捲られていない苔の下から、欲しかったオサムシを首尾よく発見。本種の採集は2年ぶり(Carabus violaceus purpurascens)
林の中を歩いていると、ブナの木が群生している場所を発見。コルリの期待が高まるが、材は相変わらず凍っている
あきらめかけたところ、何故か凍っていない朽ち木を発見。割ってみると、青く光る♂の個体が出てくれた
同じ朽ち木から、次々にコルリ♂(Platycerus caraboides)が出る
結局、♂ばかり4頭。青い個体2頭、緑がかった個体2頭であった。狙い通り、この森で初採集となった
コルリに満足したので再びオサムシ探しに切り替え、朽ち果てた切り株を削ると、先ほどとは別の種(Carabus problematicus)が現れた
上(1頭目)が淡いピンクを帯び、下(2頭目)が淡い青を帯びている
さらに、別の朽ち木から、コガネオサムシ(Carabus auronitens)。今日もオサムシ3種3頭と相成った
体が冷えてしまったので、日が高いうちに帰路へ。途中で見かけた材置き場。5月頃まで残されているだろうか
2月9日 Herblay (40km west of Paris)/15e & 7e Paris
天気が良かったので採集に出かけたかったが、妻が連いて来るので単なるドライブに。早い桜はもう花が咲き始めている
午後、古物市に出かけると、こんな磁器の置き物が見つかった。何で角(顎?)の生えた虫が? ちなみに値段は高かった
夕方、パリの老舗標本店Deyrolleに行ってみると、閉まっているようで、何だか物々しい
入り口に新聞の貼り紙が。何と、火事に遭ったとのことである。標本の被害はどうだったのだろうか
2月10日 Foret de Versailles (15km west of Paris)
連日の好天。ヴェルサイユの森というところへ初めて出かける。今日も妻が同行。こんな池が広がっていた
池の周囲の森をマウンテン・バイクで遊ぶ人・・・
ジョギングする人・・・
釣りをする人・・・
切り株の中に潜んで冬眠していた虫・・・
毎度のことながら、コガネオサムシ(Carabus auronitens)。妻が一緒なので、今回はこんなところでおしまい
2月16日 Paris 2e
パリの冬にしては珍しく快晴続きだが、気温が低いのでフィールドに出るのをあきらめた。画像は日向ぼっこするパリの人々
小さなアーケード通りで見つけたティーサロンのテラスにて
2月17日 Foret de Versailles (15km west of Paris)
先週末に訪れたヴェルサイユの森に、短時間だけ再訪。画像はヴェルサイユの裏山から見た街の遠景
実は地図を改めて見て気が付いたのだが、ヴェルサイユの森のとある一角に・・・
「ミヤマクワガタの森」があり、そこには「ミヤマクワガタの道」がある。※「Cerf-volant」は仏語でミヤマクワガタ
しかし、いざ来てみると、高速道路に近い何の変哲もない森であり、乾燥していて虫の気配も少なそうだ
とりあえずオサムシを探してみたが、朽ち木からはクシコメツキ(おそらく、Melanotus villosus)くらいしか見つからない
すると、ブナの若木が群生しているのが見つかった
落ち枝をよく探すと、コルリクワガタの産卵痕が見られる(この産卵痕は新しいので、材を割っても幼虫のみ)
そして別の材から、運良く成虫をビンゴ!(ピンボケ容赦)
やや赤みがかった色のコルリ♀(Platycerus caraboides)。ヴェルサイユの森でのコルリ初採集となった
妻を待たせていたので、これで切り上げ。画像は、大々的に修復中のヴェルサイユ宮殿の遠景(車内から撮影)
妻を森の入り口に止めた車の中で一時間も待たせてしまったのは、後で高くついたのであった・・・
ヴェルサイユの森の「ミヤマクワガタの森」産のコルリクワガタ。ちょっとしたブランド個体?
2月23日
フランスの桜は花を咲かせるのが早い。画像は、2月19日にパリ16区内で撮影したもの
それにしても、この桜は既に満開に近い。まだまだ冬で寒いのに、日本人としては調子が狂ってしまう