2008年1月 採集画像日誌




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1月1日

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新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。(画像は2007年11月13日撮影)
 

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パリでの生活も、残り半年となりました。帰国準備もあり、今年はどれくらい採集に出られるでしょうか・・・。(画像は2007年12月25日撮影)
 


1月3日  Paris 9e/Bois de Boulogne

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仕事を休んで、古式ゆかしいビストロで妻とランチ。活気があって安いことで有名な店で、すごい混みようだった
 

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その後、こんな下町風のアーケードを歩いていると・・・
 

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一風変わった古物商のウィンドウに、こんな標本箱が。さて、バラ売りしているのだろうか
 

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夕方近くにブローニュの森を少しだけ散策。遠くに見える女性は、もちろん娼婦である
 

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今年の初採集は、やはりと言うべきか、パラレリの♀だった。まあ、こんなものだろう
 


1月5日  Foret de Rambouillet (40km west of Paris)/a la maison

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未明の風雨が止み、天気が回復しそうだったので、朝のうちだけランブイエの森へ
 

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ランブイエの森はナラの木が中心だが、太いブナが集まっている場所があり、年末に初めてコルリの♀を採った。今日の狙いは♂
 

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小一時間の探索の後、遂にメタリックな輝きに遭遇。薄い緑色だったのでまた♀かと思ったが・・・
 

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♂であった。これほど薄い(緑)色のヨーロッパコルリ(Platycerus caraboides)♂は初採集かもしれない
 

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次いで、また♂。こんどは青みがかっているが、濃紺ではない。この画像では光の反射で実物より輝いて見えている
 

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日陰での色はこんな感じ
 

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11時までの帰宅を約束していたので、これで切り上げ。画像はナラとブナの混交林(右から二本目がブナ)
 

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最後に少しだけ苔捲りをしてオサムシを探してみたが、キンナガゴミムシ(Pterostichus cupreus)しか見つからなかった(画像中央)
 

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帰路の途中で、久しぶりに牛の牧場を撮影
 

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帰宅後、材箱を開けてみると、一週間前に入れた材からもうゴマフカミキリ(Mesosa nebulosa)が出てきていた
 


1月6日  Foret de Crecy (30km east of Paris)

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快晴の穏やかな日だったので、ドライブ。30km郊外のショッピング街で妻を降ろし、近くの森へ
 

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初めての森で勝手が分からないが、とりあえず突入。シラカンバ、ナラ、クリなどを中心とする混成林のようだ
 

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今日の目標は、オサムシ採集。普通種でいいから、初めての森で採ってみたい。目に付いた太い朽ち木を叩いてみると、
 

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出てきたのは、パラレリ♀(Dorcus parallelipipedus)・・・
 

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朽ち木がダメなら、太い倒木の根元部分にできた苔の崖を崩してみる
 

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首尾よくオサムシが出てくれた。あらら、光量が足りず、とんだピンボケである
 

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青色系かと思ったが、日差しの中では淡い紫色を帯びている。いつもの Carabus problematicus に似ているが、どうも違うような・・・
 

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その後は追加が出ない。朽ち木の中には小さな黒いヒラタシデムシ(Phosphuga atrata)が丸まっている
 

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シラカンバの倒木の下を覗いてみると、ファイヤー・サラマンダーがいた。これで3度目の遭遇だが、この色にいつも驚かされる
 

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苔の下にクマバチが冬眠していた
 

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一頭目から1時間以上経って、ようやく二頭目を見つけた
 

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うーん、やはりいつも見るオサムシとは違う気がするが、どうなのか・・・
 

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そして、ほどなく三頭目。どれも見つけた瞬間は、日陰のせいか青色を帯びて見える
 

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三頭とも同一種で、たまたま♂ばかりのようだ
 

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さて、妻から携帯電話で呼ばれているので、迎えに行かなければ。1時間くらいのつもりが、いつのまにか1時間半を過ぎてしまった
 

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帰宅後水洗いして調べてみると、Carabus nemoralis という種のようであった。普通種のようだが、嬉しい初採集である
 


1月12日  Foret de Rambouillet (40km west of Paris)

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暖かく天気の良い土曜日の朝。こんな日はフィールドに出ない手はないだろう
 

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昨年ジャコウカミキリが採れたヤナギが群生する湿地ポイント。狙いは、エゾカミキリの生息痕の発見とアカガネオサムシ
 

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ところが、ほど良く朽ちた材は少ない。細い材には越冬中のゴミムシばかり
 

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ふと、苔むしてボロボロの材の中から、オサムシが2種2頭(C. priblematicus & C. auronitens)
 

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そして、同じ材の別の場所から、また別の種が1頭(C. nemoralis)
 

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結局、何と同一材からオサムシ3種3頭。めずらしいことではないだろうか。残念ながら左の個体は傷つけてしまった
 

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さらに、ある小さなゴミムシに初めて出会った・・・
 

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湿地帯に生息するハンミョウモドキの一種(Elaphrus cupreus)である。宝石を散りばめたような上翅が特徴的だ
 

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2時間近く散策したが、エゾカミキリの生息痕は見つからず。大きなカミキリなので大きな脱出孔の材があるはずだが、見つからない
 

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その後、オサムシを1頭追加(C. nemoralis)。先週末に初採集した種なのに、立て続けに出会ったことになる
 

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初めて冬場の湿地帯で採集を試みたが、なかなか面白かった
 


1月13日  A la maison

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昨日採集したゴミムシたち。ゴミムシは本気になって集めているわけではないのだが・・・
 


1月17日  A la maison

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今日も材箱の蓋にゴマフカミキリ(Mesosa nebulosa)がへばりついていた。野外採集は難しいのに、材採集はかくも容易なカミキリである
 


1月19日  Paris 5e

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久しぶりに、店主となじみの標本店に寄ってみる
 

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フランス産甲虫でミヤマクワガタ以外に唯一店の在庫にあった、美しいカタビロオサムシ(Calosoma sycophanta)を購入
 


1月20日  Foret de Rambouillet (40km west of Paris)

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朝のうちの短時間、先週訪れた湿地帯を再訪。今日は先週入り込めなかった場所を目指すべく、長靴を用意したのだが・・・
 

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なんと増水していて、先週は水のなかった場所まで水に浸されていた。これでは長靴でも奥まで入り込みにくい
 

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ヤナギの朽ちた切り株から、上翅の中央に黒い紋があるアカコメツキの一種(Ampedus sanguinolentus)が出てきた
 

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本種は湿地帯でしか出会えないアカコメツキで、久しぶりの出会いである。3頭ほど採集
 

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その他は、ミズギワゴミムシの一種?(同定はいずれ)などしか見つからない。ハンミョウモドキはそう簡単に追加できるものではなさそうだ
 

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時間切れ寸前に、コガネオサムシ(Carabus auronitens)が見つかる。今や自分にとってオサムシの中で最も普通種である
 

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狙いのアカガネオサムシやハンミョウモドキは得られなかった。そうそう思い通りに行くものではない
 


1月21日  A la maison

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昨日採集したゴミムシたちに小さなガムシが混じっていた。ヒメセマルガムシ(Coelostoma orbiculare)といって、日本にもいる種らしい
 


1月26日  Foret de Rambouillet (40km west of Paris)

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晴れるとの予報を見て出かけてみたが、ランブイエの森は霧が出ていた
 

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今日も湿地を中心に攻めつつ、これまで訪れたことにない場所を開拓する
 

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シラカンバのボロボロの赤腐れ材に潜んでいたオサムシ(Carabus problematicus)
 

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マツ林があったので切り株の樹皮を捲ってみるが、ハイイロハナカミキリ(Rhagium inquisitor)の幼虫しか見つからなかった
 

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ある大きな池のほとりに、なかなか雰囲気のあるヤナギの群生地を発見。盛夏にはジャコウカミキリが見られそうだ
 

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その中で見つけた、半枯れのヤナギの根元近くの大きく丸い脱出孔。探しているエゾカミキリのものだろうか・・・
 

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結局、たいした成果もなく(採集できたのはオサムシ1頭のみ)、探索終了