2008年7月前半(その2) 採集画像日誌





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7月7日  Var県 〜 Alpes de Haute Provence県

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宿泊したモンス(Mons)村の朝の広場の風景
 

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今日からパリへ向けて北上開始。数日間かけてゆっくり戻る予定。道端の花を覗きながら車を走らせる
 

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カミキリモドキの一種(Chrysanthia viridissima ?)。日本のアオハムシダマシに似ている
 

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これはカミキリモドキ似のカミキリムシ(Deilus fugax)。今が旬なのか、数多く見られる
 

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車を停めていたら、窓からセンチコガネ(Trypocopris vernalis)が飛び込んできた
 

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淡い紫色の花畑
 

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徐々に標高を上げていく。遠くに湖が青く映っている
 

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キイロクチキムシ(Ctenopius sulphureus)やナナホシテントウ(Coccinella septempunctata)など
 

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普通種のハナカミキリやカッコウムシ(Trichodes apiarius)など
 

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カミキリモドキ似カミキリムシのペアと小さなハナノミ
 

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これは全国的に分布している普通種のハナカミキリ(Stenurella bifasciata)のペア
 

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道路沿いのところどころにセリ科の花が咲き、そこに虫たちが集まってくるのである
 

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小さいけれど綺麗な配色のヒメヒラタタマムシ(Anthaxia thalassophila)
 

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「ナポレオン街道」と呼ばれる風光明媚な山道を走る
 

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道端のマーガレット似の花の上にいた、青いヒラタタマムシ♀(Anthaxia hungarica)
 

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河原の風景。降りて虫を探してみたが、ダメだった
 

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オープンな場所にあるマツの材置き場。材は新鮮そうで、いかにも有望そうである
 

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見たことのないカミキリムシが産卵中だった(Hylotrupes bajulus)。初採集
 

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捕虫網が目立ったのか、通りがかった野生生物管理官の車につかまり質問を受けるも、何とか事なきを得た
 

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ツヤハダクワガタかマダラクワガタでもいないものかと、森に入ってみる
 

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先刻見つけた青いヒラタタマムシと同種の♂(Anthaxia hungarica)
 

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樹種不明の朽ち木にコルリクワガタの産卵痕が見つかったが、残念ながら成虫も幼虫もいなかった
 

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紋のあるハナカミキリのペア(Vadonia unipunctata)
 

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パリ近郊では見たことがない、赤いジョウカイモドキ(Malachius rubidus)
 

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ハムシ(未同定)のペア
 

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先日立ち寄った材置き場へ、再び
 

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しかし、今日はムツボシタマムシ(Chrysobothris affinis)くらいしか見つからなかった
 

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北プロヴァンスのディーニュ(Digne)という町で宿泊。赤ワインで夕食を
 

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本日の採集個体その1
 

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その2
 


7月8日  Haute Provence

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今日も北上を続行。宿泊したディーニュの町からほど近い森に立ち寄る
 

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ツチハンミョウの一種(Mylabris connata)
 

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このトラカミキリ(Chlorophorus varius)は、昨年7月末には南フランスで多数見られたが、今回はこれが初めて
 

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今日も車をいろいろな場所で停めて、道端の花をチェック
 

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クビの赤いハナカミキリ(Dinoptera collaris)
 

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ツヤハダクワガタの痕跡を求めて針葉樹の森に入ってみる
 

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山地性のツヤケシハナカミキリ近縁種♀(Anastrangalia sanguinolenta)
 

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これは平地でも見られるハナカミキリ♂(Stenurella bifasciata)
 

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小さなカッコウムシ(Trichodes apiarius)
 

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森は乾燥気味で、ほど良く朽ちた材が見つからなかった
 

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メタリックな色のツツハムシと小さくて黒いヒメヒラタタマムシ(ともに未同定)
 

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ヒョウモンチョウ(未同定)が交尾しているところ
 

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森に入っても成果がないまま道に戻る
 

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山地性のハナカミキリ(Pedostrangalia pubescens)
 

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フタコブルリハナカミキリと同属のハナカミキリ(Stenochorus meridianus)
 

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ツヤケシハナカミキリ近縁種とマルガタハナカミキリを小さくしたようなハナカミキリ(Pachytodes cerambyciformis)
 

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5月末に南フランスで初採集した希少なハナカミキリに再び出会う(Anoplodera rufipes)
 

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キソコマベニハナカミキリのペア(Stenurella meranula)
 

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野原に鮮やかに散りばめられた赤い花
 

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ちょっと目を引いた家並みの風景
 

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湖の眺め
 

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野原の花と小さな村の風景
 

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花に付くツチハンミョウ(Mylabris variabilis)
 

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普通種のハナカミキリ♀(Stenurella bifasciata)
 

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それと同属のキソコマベニハナカミキリ♀()
 

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教会が見えるだけで、どこでもちょっとした風景になってしまう
 

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この辺りでの虫探しに行き詰まりを感じたので、いっきに北へ移動する
 

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宿泊先に決めた、シャンベリー(Chambery)の街。思ったより大きな街だった
 

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広場のオープン・カフェで一休み
 

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本日の採集個体。移動が多く、採集の実りは少なかった
 


7月9日  Annecy

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明日中にパリに戻る予定なので、採集旅行も残りわずかとなってきた
 

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アヌシーの町の近くに戻ると、ブナの森が増えてくる
 

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あわよくばツヤハダかマダラクワガタを狙うも、見つかったのは針葉樹材からアカハナカミキリ(Corymbia rubra)の蛹のみ
 

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一瞬コバネ系のカミキリかと思ったが、カミキリモドキだった(未同定)。近目が不自由になったものだ
 

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快晴続きなのは、実にラッキー
 

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こんどは針葉樹の森に分け入ってみる
 

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ところどころにアリ塚が見られる。掘れば、アリヅカムシも出てくるのだろうか
 

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森の中に材は転がっているものの、時折カミキリ幼虫(おそらく普通種のアカハナ)が見られるくらいだった
 

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標高1200mほどの地点の針葉樹の森
 

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道路沿いの花の探索に戻る。トラハナムグリ(Trichius fasciatus)とハナアブ
 

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毎度おなじみ、クビの赤いハナカミキリ(Dinoptera collaris)
 

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標高を上げていくと、オトメクビアカハナカミキリ近縁種(Carilia virginea)もちらほら見られ始めた
 

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山地性のツヤケシハナカミキリ近縁種(Anastrangalia sanguinolenta)。この赤色が好きで、つい写真を撮ってしまう
 

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黒いヒメヒラタタマムシ(未同定)は、必ずと言ってよいほど黄色い花の上で見かける
 

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山道を自転車で登っていく人は多い。レジャー・スポーツとして定着しているのだろう
 

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ハムシダマシに雰囲気の似ているカミキリモドキ(Chrysanthia viridissima ?)
 

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針葉樹の森と野原。オトメクビアカハナカミキリ近縁種が多く見られる環境である
 

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実際にクビの赤い本種には初めて出会った。大型個体である
 

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山頂付近は開けた放牧場となっている
 

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山頂のカフェ・レストランで一休み。次々と自転車が登ってくる
 

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牛の放牧場の向こうに、アルプスの山々
 

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山を下る途中、再びブナ林に突入。結局クワガタはコルリの幼虫を見つけただけに終わった
 

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だいぶ下りてきたところ。湖が見えている
 

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アヌシーの街近くの湖畔。アヌシーで宿を探したが、あいにくどこも満杯だった
 

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仕方なくアヌシーを離れて、確たるあてもなく車を走らせる
 

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教会の見える風景
 

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石灰岩のテーブル・マウンテン?を背景に、花に来ているハナコメツキの一種(未同定)
 

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ジャノメチョウの一種(未同定)
 

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普通種のヤツボシハナカミキリ近縁種(Leptura maculata)
 

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同じ種の模様違い
 

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ハナノミの一種(Variimorda villosa)
 

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本日の採集個体
 


7月10日  Annecy

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パリに帰る日が来た。しかし、出会いたいのに出会えずにいる虫も、まだいくつかいる・・・
 

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初めての道を、とにかくあてもなく車を走らせる。天気は幸い今日も最高
 

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大型のハナカミキリであるパキタ(カタビロハナカミキリ)(Pachyta quadrimaculata)が多く見られる
 

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トラハナムグリ(Trichius fasciatus)とアシナガハナムグリ(Hoplia argenta)
 

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大きなパキタが次々とお目見え
 

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その他のハナカミキリも数多く見られる。しかし、狙いのピドニア(ヒメハナカミキリ)は見つからない
 

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パキタが飛んでくる花々の風景
 

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山の景色を見ながら、未だ見ぬ虫を求めてどんどんと移動を続ける
 

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標高が1300mほどに上がると、見られる甲虫は少なくなる。かろうじてジョウカイボンの一種(未同定)
 

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リフト小屋の白い壁に止まっていたコメツキムシ(未同定)。残念ながら普通種のようだ
 

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山間の村を見渡す
 

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スキーリゾートの村に着く。ホテルは夏場もバカンス客で賑わうのだろう
 

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教会の見える風景
 

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道沿いにあった新鮮なマツの材置き場。このような材置き場で良い虫が見つかることは少ないのだが・・・
 

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・・・いた! 探していた虫の一つ、ヒゲナガカミキリ(Monochamus sartor)
 

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ヒゲナガカミキリに出会ったのは2年前のスイス以来で、フランスでは初採集である
 

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他に出会いたいカミキリは、ルリボシにピドニアなのだが・・・
 

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花に来ていたサビキコリ(正確には未同定)
 

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野原の花も、一つ一つ丹念にチェックしていく
 

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花で見つけた、カツオブシムシの一種(Anthrenus pimpinellae)
 

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カッコウムシ(Trichodes apiarius)が飛び立つところ。腹部も鮮やかな赤色をしている
 

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教会のある風景
 

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広葉樹の材置き場は見かけるたびにチェック。しかし、ルリボシはなかなか見つからない
 

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とある山の上の草原で軽い昼食。手前はカフェ・レストランの飾りの園芸花
 

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どこも素晴らしい景色を楽しめるのに、訪れる人が適度にまばらなのが心地よい
 

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さて、採集時間がなくなってきた。あてもなく林道に足を踏み入れてみる
 

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そして、ついに見つけたピドニア(ヒメハナカミキリ)(Pidonia lurida)! 目出度くフランスで初採集
 

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緑色の瞳が美しいアブ
 

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パキタが珍しくも材に飛んできた
 

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結局ルリボシカミキリには出会えなかったが、ピドニアは何とか見つけ出したことだし、パリに帰るとしよう
 

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最後の最後のつもりでチェックした小さな材置き場には、普通種のトラカミキリ(Clytus arietis)
 

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さようなら、フランス・アルプス。もう採集に来られる機会もないかもしれない
 

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本日の採集個体その1
 

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その2
 

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その3
 


7月12日  Foret de Rambouillet (40km west of Paris)

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パリに戻った週末、ランブイエの森へ。いきなり飛翔中のセンチコガネ(Trypocopris vernalis)に出くわした
 

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しかし、ブナの立枯れにめぼしい虫は見られず・・・
 

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リンゴカミキリのポイントであるヤナギの幼木にも何も見られず・・・
 

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それならばと、湿地帯でジャコウカミキリを探してみるが・・・
 

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何本ものヤナギを見回っても見つからず・・・
 

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途中で見つけたナラの材置き場で一休み。ここでも見られたのはセンチコガネくらい
 

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ノイバラの咲き残りの花に、ド普通種のヤツボシハナカミキリ近縁種(Leptura maculata)
 

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草の上に、ヨツスジハナカミキリ近縁種♂(Leptura quadrifasciata)。ようやく見つけた、「まあまあ」の虫である
 

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金色のモモブトカミキリモドキ(Oedemera nobilis ?)。本来は緑色のはずなのに、色彩変異か?
 

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盛夏に多く見られるベニボタル(Lygistopterus sanguineus)
 

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乏しい成果のまま帰路へ。フランスでの残りの採集機会は、あと一回だろう
 


7月14日  Foret de Fontainebleau (50km south of Paris)

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今日は革命記念日。パレードで賑わうパリを脱け出し、フランス滞在中の最後の採集へ
 

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ガソリンスタンドの店で採集時用のいつもの食料・飲料を買うのも、これが最後
 

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フォンテーヌブローの森に着くと、女性が乗馬をしていた
 

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終わりかけているノイバラの花のポイントには甲虫が少なく、わずかに黒いハナカミキリ(Corymbia scutellata)
 

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ヒョウモンチョウ(ミドリヒョウモン?)のペア
 

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セセリチョウの一種(未同定)
 

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たいした虫が見つからないので、森の道を次々と移動
 

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ブナの立枯れのあるギャップに立ち寄ったが、早くも夏枯れの様相で、何も飛んでいない
 

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さらにブナの濃いポイントへ。この立枯れの上で黒い虫を見つけた
 

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落としてみると、パラレリ♀(Dorcus parallelipipedus)(注:この個体は、その後日本まで持ち帰った)
 

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ヤマキチョウ(Gonepteryx rhamni)が翅を休めていた
 

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これでフォンテーヌブローの森ともお別れ。その近くのバルビゾン村もこれが見納め
 

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もちろんこれでは家に帰れないので、高速を飛ばしてランブイエの森へ大移動
 


7月14日(続)  Foret de Rambouillet (40km west of Paris)

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ランブイエの森近くの村に到着。天気は引き続き上々
 

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森の中の材置き場で粗朶を叩いてみると・・・
 

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狙い通りにケシカミキリ(Exocentrus adspersus)が一頭だけ落ちてくれた
 

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これは材に飛来した小さなナガタマムシ(Agrilus sp.)
 

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さらに、青いナガタマムシ(Agrilus sp.)にも出会う
 

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優雅な姿を見せつける、クジャクチョウ(Inachis io)
 

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リンゴカミキリのポイントは、今日も当てが外れた。リンゴカミキリにはもう遅いのだろうか
 

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そのポイント近くの人工湖では、遊泳や日光浴をする家族連れで賑わっていた
 

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さて、フランスでの採集の最後の望みをかけて、ジャコウカミキリ探しへ
 

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長靴に履き替えて、湿地帯のヤナギ林を丹念にチェックしながら回る
 

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赤トンボも見られ、早くも晩夏の様相である
 

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あいにくジャコウカミキリは見られず、落胆しながら先日見つけた材置き場で一休み
 

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すると、日差しの中をコトラカミキリ(Plagionotus arcuatus)が飛来した
 

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そして、何と、このコトラカミキリは初採集である(Plagionotus detritus)
 

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飛んでいる小さな虫をネット・インすると、メタリックな色のチョッキリ(未同定)
 

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コトラカミキリAがナラ材の上を駆け回っているところ
 

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今日初めて出会ったコトラカミキリBが、こちらでは産卵中
 

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大きめで白い斑紋のあるナガタマムシ(Agrilus biguttatus)
 

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コトラカミキリBの特大個体も採れた
 

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この小さなトラカミキリも珍しい(Xylotrechus antilope)。しかし、その後うっかり逃げられてしまう
 

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その後も材置き場で粘るも、逃がしたトラカミキリは取り戻せなかった
 

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失意のうちに、採集終了。車に向かってトボトボと歩いていると、開けた草原で大きな羽音が・・・
 

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ジャコウカミキリ(Aromia moschata)が目の前のヤナギの幼木に降り立った!
 

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諦めていたジャコウカミキリが、採集の最後かつ最高のタイミングで現れてくれたのである
 

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これで、心置きなくフランスにおける採集活動を終え、ランブイエの森に別れを告げた
 

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4年間楽しい思い出をくれたフランスの自然に感謝の気持ちを込めて、乾杯