2月24日〜3月2日 Tokyo
東京に出張。画像は、かつて日本一であったのに、今は周囲のビルに埋もれている霞ヶ関ビル
街の中のところどころに、梅の花がほころんでいた。電信柱が実に日本っぽい
これは、中野駅近くの某所・・・
3月1日 Kawasaki
P.kawadaiさんと、川崎市某所の林を散策
朽ち木の下で見つけた、越冬中のオオゾウムシ
林を抜けた道沿いの、孟宗竹の小さな竹薮。倒れている竹にP.kawadaiさんが鉈を入れると・・・
ベニカミキリが、
次から次へと出てくる
ベニカミキリのアパートであった
恥ずかしながら、ベニカミキリを目にするのは初めてである
人家の庭先で顔を出している、フキノトウ。この日は風が冷たかったが、春はすぐそこまで来ているようだ
3月6日 Foret de Lyons, Normandie (100km north-west of Paris)
一日休暇を取る。出撃の時は、必ず高速道路のサービスエリアの自販機でバニラ・コーヒーを一杯
ノルマンディ地方のリヨンスの森へ。途中で見られた、城館の早春の風景
ここは欧州最大のブナの森が広がるところ。狙いは、イッカククワガタの材採集
自生しているスイセンが、既に黄色い花を咲かせている
探せど探せどイッカクが入っているブナ材が見つからない。仕方ないので、ついでにコルリクワガタ(Platycerus caraboides)を採集
久しぶりに、腹面がオレンジ色の♀。固有の色か、それともテネラルなのか
今日は何故か♀がよく見つかる。ようやく見つけた、♂
結局、1♂5♀♀。たまたまナラ材ばかりだったので、上の♂やこの♀のように緑色の個体が多い
とある材から出た、見事なまでに体を丸めている甲虫
さて、何の仲間だろう。調べてみると、マルトゲムシの一種(Byrrhus pilula)のようである
場所を変えても、イッカクが入っていそうなブナ材は見つからない。気が焦るばかり・・・
小さなマグソコガネ(Aphodeus sp.)が見つかる。ところが、あろうことか撮影後に逃げられてしまう
さらに場所を移動。このあたり一帯は、どこへ行ってもブナ林である
イッカクを諦めて、外道採集へ。朽ち木から、コガネオサムシ(Carabus auronitens)
小さな崖から、キバナガヒラタオサムシ(Carabus intricatus)
切り株の上に生えた苔の下から、紫色のオサムシ(Carabus problematicus)
ようやく有望なブナの朽ち木が見つかる。走っている食痕に期待が高まるが・・・
残念ながら、食痕の主はカミキリムシであった。画像は、カミキリの蛹の後端
馬糞をいじってみると、センチコガネ(Anoplotrupes stercorosus)が見つかった。既に活動中のようだ
結局イッカククワガタは見つからず、昨年9月に次いで連続敗退。リヨンス・ラ・フォレ村で休憩してから帰路へ
3月9日 Foret de Marly (20km west of Paris)
コルリ材採集のシーズンも残り少ない。天気が良くなかったが、近場のマルリの森へ
まずは、コルリ材採集の副産物の小さなアカコメツキ(Ampedus quercicola)
雨が降ってきて、雨中の採集となった。これは赤がやや暗い色の別種のアカコメツキ(Ampedus pomorum)
藍色のコルリクワガタ♀(Platycerus caraboides)。新しいカメラで撮影してみたが、藍色が上手く出ない
これはもともとのカメラで撮った♂。ほぼ肉眼どおりの発色である
雨が降りしきる中、集中力が途切れがちとなる。新しいカメラで撮ったコガネオサムシ(Carabus auronitens)
苔の下にセンチコガネ(Anoplotrupes stercorosus)を見つけた。越冬中のセンチコガネに出会ったのは、初めてである
雨が降り止まないため、残念ながらギブ・アップ
オサムシ2種(もう一種は、Carabus problematicus)3頭、センチコガネ1種3頭
コルリは2♂♂3♀♀。もう少し採りたかったところだ。他には、アカコメツキ2種4頭
3月15日 Bois de Boulogne
雨が降ってきそうな昼下がり、ブローニュの森を散策してみた
今日は天気は良くないが、気温が高く、春らしい陽気であった。あちこちで新緑が出始めている
欧州版オオイヌノフグリも、花を咲かせていた。春、である
ナナホシテントウ(Coccinella septempunctata)を今年初めて見つけた
名も知らぬ黄色い花では、黒い小さなケシキスイ(Meligethes viridescens ?)の仲間が活発に活動していた
クマバチも既に活動を始めている
3月16日 Foret de Rambouillet (40km west of Paris)
昨日の陽気が陰り気温が下がり始めたが、とにかく春を探しにランブイエの森へ。ところが、まだまだ冬枯れの景色
仕方がないので、朽ち木を叩いてとりあえずオサムシ(Carabus problematicus)を見つける
今日の狙いは馬糞に集まる糞虫だったが、空振り。かろうじて、歩行中のセンチコガネ(Anoplotrupes stercorosus)を発見
このセンチコガネは、裏返すと特に綺麗なのである
昨夏にリンゴカミキリを見つけたポイントに、活動中のフタホシテントウ(Adalia bipunctata)がいた
ナラが中心の森の中に、ブナの大木を見つけた。それでは、青いコルリクワガタを探してみよう
緑腐れの材から、早速コルリクワガタ(Platycerus caraboides)が出る
薄い銅色の♀だった
そして、狙いどおり(画像は暗いが)青系の♂が出た。ブナ材からは青系が出やすいのである
今日の採集ポイント近くの人工湖は、未だ寒くて人がいない・・・
さらにコルリ探しをしていると、上翅の中央が黒いアカコメツキ(Ampedus sanguinolentus)が出たが、残念ながら息絶えていた
やや緑がかっているコルリ♂を割り出して、今日のところは終了
帰路の途中、コーヒーを飲みたくなったのでカフェのある村に寄ったが、あいにく閉店中。その村にて撮影した景色
本格的な春が来るまでには、未だもう少し時間がかかりそうである
3月22日 Paris 2e
このところ、真冬な逆戻りしたような気温で、天気も悪い日が続く。春は遠そうだ。おまけに、車を修理中なのである
3月23日 Foret de Meudon (5km south of Paris)
日中でも気温は5度ほどと寒いし、車もないが、電車で行ける森に春を探しに出かけてみた
歩いて森に入るのも悪くない。しかし、採集用具は持たず、小さなルアーケース以外は全くの手ぶらだ
森は、このところの低温のためであろう、外縁部に緑の芽吹きは見られるものの、冬枯れのままであった
森の中に入ると、このとおり、春を感じさせるものは未だほとんど見当たらない
手ぶらだが、少しでも虫の姿を見ておきたくて、こんな苔を手で捲ったり棒で崩したりしてみる
すると、いつものオサムシが1頭だけ見つかった(Carabus problematicus)
次いで、小さなマルガタゴミムシの仲間(Amara sp.)
朽ち木起こしをしてみると、朽ち木の下でクシコメツキの仲間を見つけた(Melanotus villosus)
森の周辺は気温が少し高いのか、タンポポやオオイヌノフグリなどの野草の花が咲いている。画像は、ヒメオドリコソウ
しばらく低温が続くようなので、本格的な春の到来は遅そうだ。来週末はどうなっているだろう
3月29日 Foret de Rambouillet (40km west of Paris)
車が戻ってきたので、久しぶりの好天下、ランブイエの森へ
森はまだ冬枯れの景色だが、明るい日差しが心地よい
狙いは、越冬タテハを見つけることと、こんな馬の足跡を追いかけて活動中の糞虫を見つけること
早速、小ぶりなセンチコガネを見つける。胸部が陥没している個体だったが、小さな個体ほど色が鮮やかである
馬糞を突っついてほぐすと、中から小さなマグソコガネ(Aphodius prodromus)が見つかる
あの馬糞はどうであろうか・・・
多くのセンチコガネ(Anoplotrupes stercorosus ?)が集まっていた。しかも、風下から次々に歩いてやってくる
引っくり返すといっそう綺麗に輝く
他の馬糞でマグソコガネを順調に追加
エンマコガネ(Onthoohagus sp.)も一頭だけ見つかる。頭胸部が緑色のエンマコガネ(O. vacca)は未だ早いようでいない
センチコガネは、森の中の道でもあちこちで見かけた。しかし、まだ飛翔するほどの暖かさではない
ネジロカミキリ近縁種狙いの薮では、ビーティングしても小さなゾウムシしか落ちなかった
こんなのや(同定はいずれ)、
こんなシギゾウムシ(同定はいずれ)
場所を変えると、めずらしくも鹿と遭遇した
センチコガネのてんこ盛り
大きい個体と小さい個体がいるのだが、同種だろうか? 小さい個体の方が輝きは鮮やかである
森の中で有望な材置き場が見つかる。初夏の晴れた日には、タマムシやトラカミキリが走り回るだろう
糞虫採集は、言うなれば、馬乗りの人達のおかげでできるのである
コルリの産卵痕も気になり・・・
少しだけ採集にトライしたのだが、見つかるのは幼虫だけだった。成虫はよもやもう脱出済み?
森の中の車道の上にやけに小さなセンチコガネ・・・と思ったら、歩行性のハムシだった
小柄な♂である(Timarcha goettingensis)。右の触角が欠けていて難儀そうだった。この種も活動期間が長いようだ
3月31日 Paris 16e/Bois de Boulogne (Paris)
寒い3月だと思っていたが、職場の近くの公園のマロニエはもう新緑を出している
ブローニュの森も、周辺からゆっくりと瑞々しい緑に覆われていく
キランソウに似た野草の花
何故だかゴミムシダマシの一種(と思う。同定はいずれ)が、草の葉の元に頭を突っ込んでじっとしていた
これはナミテントウ(Harmonia axyridis)だろう
ホシカメムシの一種(Pyrrhocoris apterus)は、春まだ浅いうちから活発に活動を始めている
これは花壇の花のはずなのに、どうやって種が運ばれてきたのか、野草に混じって花を咲かせていた