武生第一中学校ご卒業の武生26会の皆様、同窓会記念文集のご編纂、おめでとうございます。もうすぐ古稀を迎えられるという皆様が、それを記念してこのような企画をされる一つの発端を私どもが担わせていただいたとのこと、心より嬉しく存じます。その上、私どもへもこの文集に寄稿させていただく栄誉を授かり、厚くお礼申し上げます。
私どもが武生26会の存在を知ったのは、昨年の夏のことでした。そのとき私どもが開催したあるイベントで、ステージにて上映する「ものづくりに挑む!」というビデオを制作する際に、発起人のひとりであられます26会会員の岩井製作所岩井
仁さんとの出会いがあったことでした。
このビデオは、その副題にもあります「日本を支えてきた中小企業の技術力」をテーマに企画されたもので、そこに登場するものづくりの達人の一人が岩井さんでした。岩井さんの「削り出す」という工程の職人技が、原子炉のシリンダーや新幹線の車輌を産み出したことに撮影チーム一同みな感動しました。無事ビデオも完成し、ステージで上映され、来場者もその映像に魅入ってくれました。
撮影前後の岩井さんとのお話で、武生第一中学校という学校があること、その同窓生で26会という組織を作って、長年にわたって親交を深めておられること、その会員の中に、わが国を代表する科学者・技術者がおられること、などを知りました。失礼な言い方かも知れませんが、北陸のあまり名前も知られていない小さな街の、同じ中学校の、しかも同じ学年の方々の中に、私どもが取り上げたイベントの題材に深く関連する方が4名もおられることを知って、驚きを禁じ得ませんでした。
まさか同窓とは知りませんでしたが、以前、日立中央研究所におられ、日本ロボット学会会長をしておられた江尻正員さんのお名前はすでに存じ上げていましたし、またビクターでVHSビデオテープレコーダーの開発に深く関与されてきた廣田昭さんについても、話を聞いておりました。さらに富士重工でスバル関連の技術開発に関与された藤井二三雄さんと岩井さんを合わせて、私どもの題材に関連した計4名の方々が、揃ってこの文集の企画をされるとのことでした。
都会の大きな学校ならともかく、このような地方の中学校の同学年の卒業生が、多方面で活躍されてきた背景を知りたいと思い、私どもの情報網を駆使してその理由を調べさせていただきました。調査の過程で数10名の同窓の方々のお名前が浮かび上がり、どうやら戦後の混乱期でも素晴らしい教育があったことをおぼろげながら知ることができました。しかし詳細はまだ不明のまま、おそらくこの文集の中にその回答が見られるのではないかと、発刊をわくわくした気持ちで期待してきたわけです。
この文集の企画にあたっては、その初期の段階で、私どもの専門の見地から、文集の構成などについて多少知恵を出させていただきました。それが発刊を決意するのに少なからず役に立ったとのことで、大変嬉しく思います。でもその後はすべてこの4名の発起人と、さらに東京消防庁で活躍された水落惠士さん、文化庁で活躍され現在も武蔵野音楽大学で教鞭を取られている池田温さんを含む編纂委員会の方々のご努力でした。もちろんその努力の中心には、この文集制作に賛同され、協賛された会員・執筆者の皆様がおられるのは明らかです。
ところで私どもの企画するイベントでは、見に来ていただいた一人ひとりがいい時間を過ごし、生きる活力になってくれればと思って仕事をしております。先に述べました今回のこのビデオ制作でも、携わったスタッフは「楽しくやりがいのある仕事でした。また是非やりましょう」と皆が口を揃えて言ってくれました。制作側もそう感じてくれてこそ私どもの仕事は成功と言えるのです。そして、そのイベントを岩井さんと一緒に見にきていただいた江尻さん、廣田さんらも、自分たちが深く開発に携わった製品・技術が展示されているのをご覧になって、自分たちが日本の発展に尽くした貢献にあらためて感動され、そのような同窓生の活躍の様子を1冊に纏め、広く母校の後輩にも伝え残したいと思われたことが、この同窓会文集編纂の一因だと聞いております。
今回は、皆様の文集編纂に直接には協力できなかったにもかかわらず、本文を寄稿させていただき感謝しております。この素晴らしい出会いを今後も大切にしていければと思っております。26会会員の皆様の、今後益々のご健勝・ご発展を心から祈念申し上げます。