No.23
心のときめきを短歌に

― 素朴さに惹かれ素直な気持ちで ―


高 木 智栄子


高木 智栄子(武高30会会員)
TAKAGI, Chieko

 旧姓織田。1949年武生西小学校、1952年武生第二中学校、1955年武生高等学校を卒業。1959年に結婚し、2女を儲ける。長女は2男1女の母、次女は1女の母。2012年夫死去。現在は次女の家族3人と同居し、穏やかな日々を送っている。(石川県金沢市在住)




 

はじめに

 私の短歌との出会いは中学2年生の時。当時、担任の熱田先生のご指導で、文芸同人誌「潮」をガリ版謄写版で作っていました。男女合わせて10人ほどが、詩や俳句、短歌を先生のご指導でこの同人誌に発表していましたが、3年生を卒業してのち休止になってしまったようです。あの頃の皆さん、今どうしておられるのでしょうか。お会いしたい思いです。その後私も、高校進学、卒業、そして結婚と、作歌は中断しておりました。


短歌の再開

 現在私の住んでいる金沢は、歴史も古く豊かな街です。近代文学でも、徳田秋声、泉鏡花や室生犀星などのゆかりの地で、文化的にも恵まれた雰囲気が漂っていて、絶えずこころにカルチャーを感じていました。この長年住み慣れた街にあって、徐々に短歌を楽しみたいと思い始めたころでしたので、4年ほど前に創始された短歌結社「ゆりかもめ短歌会」に入会し、今に到っております。最近の作品を、幾つかここに掲げさせていただきます。

 

君みれば 胸ときめかし 昔日(せきじつ)を
     想い出しおり 我八十路(やそじ)入り
 
あたらしき 叡智を集めて 咲き揃う
     駅舎に 明るきエアリーフローラ―
 
強面(こわもて)の あまた仏像 その中の
     大黒(だいこく)布袋(ほてい)に ほゝのゆるむも
 
炎天の 崖のぼりゆく 葛(くず)の葉の
     蔭に 赤紫(えんじ)の 花をつけおり
 
静かなる 近江の湖(うみ)の岸辺にて
     紫式部の姿 しのべり
 
白木蓮(はくれん)の 落花集めて 手の上に
     恋に生きし人の姿 偲びおり
 
蓮の花 開きし音を 待つときに
     亡き夫(つま)の声 ねがう我のあり
 
年(とし)経ても 送り続けよ 相聞歌
     言の葉返らぬ 夫(ひと)でありとも
 
来世(らいせ)を願いし 我をながめおる
     扉の奥の 御仏(みほとけ)やさし
 
雲送り ダイヤモンド冨士を 待つときに
     ほゝにつめたき 湖(うみ)つたう風
 
注): ルビは括弧(  )内に表示しました。


源氏物語アカデミー

 武生では30年前、「紫式部に会える街」をキャッチフレーズに、当時の中西市長の発案で「紫式部顕彰会」が創設されました。

 そして、すでに28回目を迎えた「源氏物語アカデミー」では、著名な専門の講師の先生の講演・講義・体験・見学などが、3日間にわたり開催されています。毎年10月には、全国から源氏物語の愛好者200人ほどが集まる文化イベントになり、街は賑わいます。



 また平成21年5月から、「源氏物語54帖を読む会」が始まり、月1回の購読が楽しみでもう6年が経ち、宇治10帖の宿木(49帖)に入っています。

 園田学園女子大学教授の福嶋昭治先生の講義は、平安時代の華やかさと悲哀はもとより、人の心の機微を原文解釈から深く読み取ることを、丁寧にユーモアを交えて教えてくださるので、 楽しくて退屈しません。受講する私たちにとっても、日常から離れた癒しの気持ちになるひとときかも知れません。私も全てには参加できませんが、時間を見つけて出席し、充実した学びと感動を味わっています。


恋のうたコンクール

 ところで、「あなたを想う恋のうた」の公募コンクールをご存知でしょうか。

 越前市味真野は、万葉集に残る悲恋の相聞歌の舞台。奈良時代、政争に巻き込まれ、この味真野に流された中臣宅守(なかとみのやかもり)と聖武天皇に仕える女官狭野茅上娘子(さののちがみのおとめ)のふたりが、悲しみの中で交わした歌が63首、万葉集に詠まれています。

 この相聞歌に因み、恋のうたコンクールが始まり、3年前、主人がなくなりましてから後に、私も投稿したことがあります。引続き平成27年度も、その第18 回目の募集がありました。




 短歌にもいろいろ傾向がありますが、最近は万葉集の素朴さ・ストレートな表現に惹かれるものがあり、素直な気持ちで、その時々の心のときめきを歌に託したいと思っています。


金沢30会

 最後に、ここに数葉のスナップをお見せして 金沢30会のことをお伝えいたします。

 
         
 



 武生高校同窓会の石川支部ができたころには、石川県在住の30会会員の殆どの方が参加していました。6組の松本(旧三枝)静夫さん、5組の増田 孝さん(故人)、12組の木下 弘さん(故人)はじめ、10人くらいで楽しく歓談したものでした。増田 孝さんは金沢美大教授をされ、平成10年に武高同窓会館葵講堂に絵画を寄贈されました。また松本静夫さんは平成10年〜23年の間、石川支部の副支部長を歴任されています。現在の金沢30会は、写真にも示しましたように5人のメンバーで、時々会って情報交換をしております

 なお、支部の総会は44年卒業の江端会長の下、年1回開催しています。


おわりに

 私の在席した3年8組は女子組でしたが、30会総会のあと、参加者で2次会をしたり、時々声をかけ合って集まり、楽しいお喋りとご馳走で盛りあがっております。今後も、気の合ったお付き合いが続きますよう、心より祈ってやみません。 

― 完 ―