心のときめきを短歌に
― 素朴さに惹かれ素直な気持ちで ―
高 木 智栄子

高木 智栄子(武高30会会員)
TAKAGI, Chieko
旧姓織田。1949年武生西小学校、1952年武生第二中学校、1955年武生高等学校を卒業。1959年に結婚し、2女を儲ける。長女は2男1女の母、次女は1女の母。2012年夫死去。現在は次女の家族3人と同居し、穏やかな日々を送っている。(石川県金沢市在住)
はじめに
私の短歌との出会いは中学2年生の時。当時、担任の熱田先生のご指導で、文芸同人誌「潮」をガリ版謄写版で作っていました。男女合わせて10人ほどが、詩や俳句、短歌を先生のご指導でこの同人誌に発表していましたが、3年生を卒業してのち休止になってしまったようです。あの頃の皆さん、今どうしておられるのでしょうか。お会いしたい思いです。その後私も、高校進学、卒業、そして結婚と、作歌は中断しておりました。
短歌の再開
現在私の住んでいる金沢は、歴史も古く豊かな街です。近代文学でも、徳田秋声、泉鏡花や室生犀星などのゆかりの地で、文化的にも恵まれた雰囲気が漂っていて、絶えずこころにカルチャーを感じていました。この長年住み慣れた街にあって、徐々に短歌を楽しみたいと思い始めたころでしたので、4年ほど前に創始された短歌結社「ゆりかもめ短歌会」に入会し、今に到っております。最近の作品を、幾つかここに掲げさせていただきます。
| 君みれば 胸ときめかし 昔日(せきじつ)を |
| 想い出しおり 我八十路(やそじ)入り |
| |
| あたらしき 叡智を集めて 咲き揃う |
駅舎に 明るきエアリーフローラ―
|
| |
| 強面(こわもて)の あまた仏像 その中の |
大黒(だいこく)布袋(ほてい)に ほゝのゆるむも
|
| |
| 炎天の 崖のぼりゆく 葛(くず)の葉の |
蔭に 赤紫(えんじ)の 花をつけおり
|
| |
| 静かなる 近江の湖(うみ)の岸辺にて |
紫式部の姿 しのべり
|
| |
| 白木蓮(はくれん)の 落花集めて 手の上に |
| 恋に生きし人の姿 偲びおり |
| |
| 蓮の花 開きし音を 待つときに |
| 亡き夫(つま)の声 ねがう我のあり |
| |
| 年(とし)経ても 送り続けよ 相聞歌 |
| 言の葉返らぬ 夫(ひと)でありとも |
| |
| 来世(らいせ)を願いし 我をながめおる |
| 扉の奥の 御仏(みほとけ)やさし |
| |
| 雲送り ダイヤモンド冨士を 待つときに |
ほゝにつめたき 湖(うみ)つたう風
|
| |
| 注): ルビは括弧( )内に表示しました。 |
源氏物語アカデミー
武生では30年前、「紫式部に会える街」をキャッチフレーズに、当時の中西市長の発案で「紫式部顕彰会」が創設されました。
そして、すでに28回目を迎えた「源氏物語アカデミー」では、著名な専門の講師の先生の講演・講義・体験・見学などが、3日間にわたり開催されています。毎年10月には、全国から源氏物語の愛好者200人ほどが集まる文化イベントになり、街は賑わいます。
また平成21年5月から、「源氏物語54帖を読む会」が始まり、月1回の購読が楽しみでもう6年が経ち、宇治10帖の宿木(49帖)に入っています。
園田学園女子大学教授の福嶋昭治先生の講義は、平安時代の華やかさと悲哀はもとより、人の心の機微を原文解釈から深く読み取ることを、丁寧にユーモアを交えて教えてくださるので、 楽しくて退屈しません。受講する私たちにとっても、日常から離れた癒しの気持ちになるひとときかも知れません。私も全てには参加できませんが、時間を見つけて出席し、充実した学びと感動を味わっています。
恋のうたコンクール
ところで、「あなたを想う恋のうた」の公募コンクールをご存知でしょうか。
越前市味真野は、万葉集に残る悲恋の相聞歌の舞台。奈良時代、政争に巻き込まれ、この味真野に流された中臣宅守(なかとみのやかもり)と聖武天皇に仕える女官狭野茅上娘子(さののちがみのおとめ)のふたりが、悲しみの中で交わした歌が63首、万葉集に詠まれています。
この相聞歌に因み、恋のうたコンクールが始まり、3年前、主人がなくなりましてから後に、私も投稿したことがあります。引続き平成27年度も、その第18
回目の募集がありました。
短歌にもいろいろ傾向がありますが、最近は万葉集の素朴さ・ストレートな表現に惹かれるものがあり、素直な気持ちで、その時々の心のときめきを歌に託したいと思っています。
金沢30会
最後に、ここに数葉のスナップをお見せして 金沢30会のことをお伝えいたします。
武生高校同窓会の石川支部ができたころには、石川県在住の30会会員の殆どの方が参加していました。6組の松本(旧三枝)静夫さん、5組の増田 孝さん(故人)、12組の木下 弘さん(故人)はじめ、10人くらいで楽しく歓談したものでした。増田 孝さんは金沢美大教授をされ、平成10年に武高同窓会館葵講堂に絵画を寄贈されました。また松本静夫さんは平成10年〜23年の間、石川支部の副支部長を歴任されています。現在の金沢30会は、写真にも示しましたように5人のメンバーで、時々会って情報交換をしております
なお、支部の総会は44年卒業の江端会長の下、年1回開催しています。
おわりに
私の在席した3年8組は女子組でしたが、30会総会のあと、参加者で2次会をしたり、時々声をかけ合って集まり、楽しいお喋りとご馳走で盛りあがっております。今後も、気の合ったお付き合いが続きますよう、心より祈ってやみません。
― 完 ―

|